野山を走るクロスカントリーランニングと登山マラソンの2つの要素をコースに盛り込んだトレイルランニングレース「伊勢の森トレイルランニングレース2012」が12月16日、伊勢神宮の北東に位置する標高555メートルの朝熊(あさま)岳(伊勢市朝熊町)一帯で開催された。
五十鈴公園(宇治館町)をスタートし、おはらい町、伊勢神宮内宮宇治橋前を通り、旧参詣道の宇治岳道から山道に入り、経ヶ峰、朝熊山頂展望台、八大龍王のそれぞれの山の頂上を駆け抜け、二瀬橋道、昼河山登山道から絆の森へ下山するルートで、ゴールの三重県営サンアリーナ(朝熊町)を目指す20キロが広域伊勢志摩圏内初となる今回のコース。
コースは、トレイルランニングの第一人者の石川弘樹さんが朝熊山を3日間掛け探索し、「トレイルランとしてはショートコースだが、起伏に富んだ景色のきれいなコース」(石川さん)を設定。「17キロ地点には水の流れる川の中を走り、その後すぐ絶壁の急斜面を、ロープを使って登る(ほかの大会にはあまりない)『珍しい』ルートも設けた」という。
前日の雨で普段より水が多く流れる二瀬橋の川に直面した参加者は「わ~、ビチョビチョや~」「お~気持ちいい」などと雄たけびを上げながらも前進する選手や、ちゅうちょしてなかなか前に進めない選手など「珍しい」コースに悪戦苦闘していた。
マラソン歴20年以上、東京で開催される日本山岳耐久レース「ハセツネCUP」(71.5キロ)を昨年12時間12分52秒の記録でゴールし、今回で10回目のトレイルランだという鈴鹿市出身の野村正勝さん(54)は「最初は緩いコースかと思ったがそうではなく、また距離が短い分スピードを出すので結構きつかった。3回も転倒してしまった(笑)。普通トレイルランというと山ばかりだが、このコースは海も見ることができるので、景色がきれいでとても楽しめた。次回も参加したい」と感想を漏らした。
石川さんは「スムーズな運営や参加者を楽しませるエンターテインメント性など、今後さらに大会の質を上げていき、『誇れる大会』にしていきたい」と意気込む。
男子の部、優勝は山本大賀さん(滋賀県)1時間37分58秒、2位は浦野裕之さん(長野県)1時間40分01秒、3位は安立俊さん(三重県)1時間41分38秒、女子の部、優勝は石川優子さん(京都府)2時間9分42秒、2位は佐野亜弓さん(三重県)2時間12分22秒、3位は小川加那子さん(東京都)2時間13分01秒。男性255人、女性101人、計356人が参加、355人が完走した。