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志摩市の小中学校の給食に地元で作ったかつお節 生産者から歴史や作り方学ぶ

志摩市の小中学校の給食に地元で作ったかつお節 生産者から歴史や作り方学ぶ

志摩市の小中学校の給食に地元で作ったかつお節 生産者から歴史や作り方学ぶ

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 志摩市内の小中学校で11月18日、志摩市産の食材をメニューに入れた「ふるさと給食」が行われ、全校児童268人の志摩小学校(志摩市志摩町)の5年生児童49人が、かつお節について生産者から学ぶ「生産者との交流会」が行われた。

【その他の画像】志摩小学校でふるさと給食と生産者交流会

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 「ふるさと給食」は、食材の豊かな志摩地域の地場産物を学校給食に取り入れ、地域の子どもたちの食育推進につなげようと2006(平成18)年にスタート。「生産者との交流会」は、毎月第3日曜を挟んだ前後2週間の中で「みえ地物一番給食の日」と設定する三重県の取り組みに合わせて、2018(平成30)年から「志摩産給食の日」として設定し(今年度は第3水曜)、その日に合わせて生産者から食材について学び、生産者との交流会を行っている。

 この日の献立は、わかめご飯、度会郡大紀町の大内山牛乳、ちくわの天ぷら、かやくうどん、かつお節1パック。この日は、昔から波切(なきり)地区でかつお節を製造販売する「まるてん」(志摩市大王町)が、同市内の小学校7校、中学校6校の子どもたちと教諭に提供する約3200食分のかつお削り節パック(3グラム)を用意した。

 10月18日に行われた志摩市長選挙で初当選した新市長の橋爪政吉さんの元職も、同地区でかつお節の製造販売する「久政(きゅうまさ)」(同)だったこともあり、かつて「生産者との交流会」でも子どもたちの前で話をした経験があるという。橋爪新市長は「僕は、近現代のかつお節事情について話をしていた。まるてんさんはかつお節の歴史について話をしてくれるので僕も興味深い。(僕も話したいが)今日はまるてんさんにお任せ」とほほ笑むと、子どもたちに向けた冒頭のあいさつで「志摩市にはおいしいものがたくさんあるので、いっぱい自慢してほしい」と呼び掛けた。

 講師を務めたまるてんの池田茜さんが、昔は志摩でカツオがたくさん捕れて港に水揚げされ、波切地区にはかつお節を製造する工場がたくさんあったこと、今はカツオが静岡や鹿児島の港に水揚げされるためカツオの漁獲量が減っていること、そのためカツオをさばいて煮る作業が県外で行われていることなどを説明。地元ではいぶしてカビ付けをする作業だけをしておりし、伊勢神宮では毎日朝と夕方に2回神様の食事を準備し必ずかつお節が出されることや、一年間に伊勢神宮で使われるかつお節は約6700本になることなども、スライドを交えながら説明した。

 児童たちは「カツオをいぶすのに1カ月、カビ付けに5カ月も掛かるなんて」「伊勢神宮の神様が年間に6700本もかつお節を食べているなんて」と驚き、「かつお節はどうやって削るのか?」と質問をすると池田さんはかつお節を削るかんなを手に取って見せ、「昔はどこの家庭にもかつお節を削るかんながあり、かつお節を削るのは子どもの仕事だった」と答えた。

 その後、橋爪新市長と池田さんは子どもたちと机を並べて昼食をとった。子どもたちは、わかめご飯にかつお節を振り掛けて食べ、ご飯のお替わりで友達と競争していた。

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