伊勢神宮や式年遷宮についての資料が豊富な神宮徴古館(ちょうこかん)(伊勢市神田久志本町)は1月1日から、新春企画展「見て学ぶ国史絵画(3 近世・近代)」を開催している。3月3日まで。
同館は、旧東宮御所(赤坂迎賓館)や奈良・京都・東京の国立博物館などを手掛けた片山東熊(とうくま)による設計で、ルネサンス式の重厚な建物として1909(明治42)年に完成した歴史博物館。御装束神宝をはじめ国の重要文化財11点を含む、歴史・考古・美術工芸品など約1万3000点を収蔵、展示する。
絵画は、「国史絵画」として青少年の学習教材として製作されたもので、国のはじまりから近代に至るまでの国家の成り立ちを表現した78点。東京にあった教育施設「養正館」で展示されていたが、終戦を迎え施設が閉鎖し、近隣の美術館に移送され封印されることになっていたものを伊勢の名士・北岡善之助らによって1988(昭和63)年に神宮へ奉納され同館で保管・収蔵している。
3回目となる今回の企画展は、長い戦乱を終え安定期を迎えた近世と、激動の変化を遂げた近代を特集。徳川光圀、本居宣長、松平定信、黒船の来航、孝明天皇、大政奉還、五箇条の御誓文、教育勅語、日本海海戦など「日本が動いた」日本史上の特筆すべき人物や事柄を描いた絵画12点を厳選し、併せて同時代に成立した歴史資料を展示したという。
同館担当者は「足を運んでいただき、わが国の歴史を再認識する機会となれば」と話す。
開館時間9時~16時30分。入場料は、大人=300円、高校・大学生=150円、小・中学生=100円。月曜休館(今月14日までは無休、同15日、2月12日は休館)。