「外宮さんの町」を特集した三重のローカル季刊誌「NAGI(凪)」52(春)号が3月1日、県内の書店に並んだ。伊勢神宮外宮前に出店する飲食店などを特集する。発行は「月兎舎(げっとしゃ)」(伊勢市馬瀬町)。
三重のローカル誌「NAGI」、伊勢神宮外宮前に出店する飲食店などを特集
現在、伊勢市駅を中心とした半径500メートル圏内に新しく飲食店がオープンし、街が活気づいている。中でも伊勢市駅から伊勢神宮外宮までの約500メートルの「外宮参道」沿いに若手オーナーたちの店が集積し始めている。
1983(昭和58)年創業のフランス料理店「ボンヴィヴァン」(本町)は、外宮前がまだ寂しかった1997年に歴史的建造物の旧山田郵便局電話分室をレストランに変え先陣を切ってオープン。同店オーナーシェフの河瀬毅さんは「まさに孤軍奮闘。早く元気のいいレストランがオープンしてくれないかと心待ちにしていた」と当時を振り返る。
イタリア料理店「オステリア ラブラ」(吹上)は2006年11月、1972(昭和47)年創業のフランス料理店「グリル片山」(岩渕)は2008年3月、カフェ「サニープレイス」は同年5月、フランス料理店「ブータントラン」は2009年5月、フランス料理店「ココット山下」は2010年8月、答志島直送のシラスメーンの和食店「浜与本店外宮前店」(以上、本町)は同年10月、それぞれオープンした。
2012年には、「外宮参道」に矢継ぎ早に店舗がオープンする。4月にフランス料理店「ミルポワ」(岩渕)、9月に鉄板料理の「鉄饌(てっせん)」、10月には赤福直営の「赤福外宮前特設店」と伊勢牛を提供する老舗「豚捨外宮前店」、12月には「参宮あわび」の商品で知られる「伊勢せきや本店」(以上、本町)。宇治山田駅前で店を構える1945(昭和20)年創業の和食店「大喜」(岩渕)は11月に同じ場所で全面リニューアルオープンした。
同誌では、外宮前が活気づく原動力となっている19店を「外宮前食堂」としてフィーチャーし、「神宮のこと」「これまでの歴史」「外宮前のこれから」を特集する。
坂編集長は「フレンチ、イタリアン、スペインバル、カフェ…。近年、個性的な飲食店が続々と外宮のそばに集まって、地元っ子が夜遅くまで飲み、食べ、語り合えるスポットとして活況を呈し始めている。今から2000年前に五十鈴川のほとりに内宮が、その500年後に天照大神の食事をつかさどる神様として外宮がご鎮座され、それ以来、神宮では365日毎朝夕欠かすことなく『日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)』という食の祭りが行われてきた。外宮に祭られているのは、食と産業の神様『豊受大神』。だからこそ今、外宮前が『食文化』を発信するエリアに生まれ変わろうとしているのでは」と説明する。
価格は670円。