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伊勢のフレンチレストラン「ボンヴィヴァン」シェフが30年の歩み、エッセイに

伊勢のフレンチレストラン「ボンヴィヴァン」オーナーシェフが30年の歩みをエッセイに

伊勢のフレンチレストラン「ボンヴィヴァン」オーナーシェフが30年の歩みをエッセイに

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 伊勢神宮外宮前にあるフレンチレストラン「ボンヴィヴァン(BonVivant)」(伊勢市本町、TEL 0596-26-3131)のオーナーシェフ・河瀬毅さんが12月1日、自身初となるエッセイ集「人生を愉(たの)しむレストラン」(月兎社)を出版した。

伊勢のフレンチレストラン「ボンヴィヴァン」河瀬毅シェフと恵子さん

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 河瀬さんは妻の恵子さんとともに1983(昭和58)年、同市常磐にフランス家庭料理を提供する店をオープンし、1997(平成9)年に現在の地に移転した。白いモルタルを塗ったレンガ造りの壁と赤い屋根瓦が特徴の建造物は、1923(大正12)年に建てられた旧山田郵便局電話分室。歴史を感じさせるその建造物が現在の店舗となっている。伊勢神宮の式年遷宮が執り行われる来年2013年が同店開業30周年に当たる。レストランの向かいの「カフェ・ド・ボンヴィヴァン」(1998年)、津市の三重県立美術館内の「ミュゼ・ボンヴィヴァン」(2003年)の2店舗も河瀬さんの経営だ。

 同書では、東京での料理人修業時代、結婚した1978年の新婚旅行で食べた「鯛萬(たいまん)」(松本市)のフランス料理がきっかけで「料理人」をめざそうと決意すること、伊勢志摩の食材、寿司の話、「うましくに伊勢シェフクラブ」や故郷伊勢への思い、仲間・同志への思い、自身のこだわりなどがつづられている。また恵子さんのレストランマダムとして培った経験に基づく心得などを記した「マダムの覚え書き」も公開している。

 河瀬さんは「20年に一度の式年遷宮と、当店の30周年が同じ年に行われることに運命を感じ、一つの節目として出版を思い立った。この本が、接客業を営む人、従事する人たちの刺激になればうれしい。実際に、数軒の飲食店経営者に共感いただき同業者からの大量買い、他店のスタッフからの熱烈なうれしい感想や、『さらなるやる気と目標ができた』と言っていただいたりしている。こんな流れの中で相応の料理や接客のレベルが上がっていけばいいですね」と話す。

 同レストランで修業したシェフが独立して開業した店は15店舗になるという。さらに河瀬さんは「この本を、いつかレストランを持ちたいと昔の僕のように悶々している料理人にぜひ読んでほしい。高嶺の花と思わず、やりたい料理にチャレンジして壁にぶつかりながらもあきらめてもらいたくない。いざ念願の店を持っても、安易に手離さないで努力して欲しい。夢の階段をくじけずに上がって行ってもらいたい」とエールを送る。

 「伊勢を美食の街に」という思いが年々強くなっているという河瀬さん。その夢を実現させるために2013年には、創業の地・常磐に「アプレヴィ(ApresVie)」という名のレストランをオープンする。「30年の節目に、原点に立ち返り、今の自分たちを表現したレストランとして、お客様を迎え入れこれまでの恩返しをしたい」と血気盛んだ。

 同書は、A5判、224ページ(カラー32ページ、モノクロ192ページ)。価格は1575円。同店と「ミュゼ・ボンヴィヴァン」、三重県下主要書店と、アマゾンなどインターネットで販売中。

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