「伊勢之里」(伊勢市楠部町)は7月21日、同26日から始まる「お白石持ち行事」についてのイメージソング「白石献上歌」を伊勢神宮外宮(げくう)勾玉池奉納舞台で奉納した。
「お白石持ち行事」のイメージソング「白石献上歌」を作曲した長岡成貢さん
お白石持行事とは、式年遷宮行事の一つで、神領民と呼ばれる伊勢の住民らが宮川より拾い集めた「白石」を奉曳車や木そりに乗せ、沿道や川を練りながら神域まで運び、遷宮後は立ち入ることができない新しい正殿の敷地に敷き詰める行事のこと。
「せんぐう館」(豊川町)館長で神職の小堀邦夫さんが作詞、伊勢出身明和町育ちで音楽家の長岡成貢さんが作曲を手掛け、同社が制作、伊勢市出身の歌手・ももさんが歌う。
神宮禰宜(ねぎ)で、伊勢神宮広報室長を兼ねる小堀さんは、詩集「魂の原郷」(PHP新書)、随筆「天へのかけはし」(JDC)、「伊勢神宮のこころ、式年遷宮の意味」(淡交社)など詩人、作家としても活躍。作曲家、編曲家、アーティスト、音楽プロデューサーの長岡さんは、ARASHIやSMAP、EXILE、中島美嘉、MISIAなどへの楽曲提供、映画「EMPIRE OF SILVER/白銀帝国(2009)」「桜田門外ノ変(2010)」「渾身 KON-SHIN(2013)」、ドラマ「日曜劇場 JIN-仁-(2009~2011)」「ヤアになる日(2012)」などの音楽を手掛ける。明和町の「斎王祭り」テーマ曲で実在した皇女 「斎王」をイメージした曲「斎王(いつき)の舞/斎宮物語」を 1993年に手掛けた。同社は、伊勢に関連する商品の企画開発をしながら地域の活性化を目指し、昨年6月24日設立。ももさんは前回の第61回式年遷宮があった1993年2月生まれで今年20歳。歌手として地元三重県を中心に活動する。
この日は、長岡さんがちょうど20年前に手掛けた「斎王の舞・慶(よろこ)び」の奉納演奏(シンセサイザー=長岡さん、歌=田中裕梨さん、バイオリン=上里はな子さん、笛=黒田由樹さん、太鼓=今瀬まろうたさん)も行われた。
小堀さんは「白石持ち行事のにぎわいや、伊勢のため、人のために行うというその奉仕の気持ちを分かりやすく詩にした」。長岡さんは「『斎王の舞』を作ったときから20年間今も変わらぬ気持ち。伊勢をこよなく愛するものとして音楽で貢献したいと常に思っていた。今回の機会を頂いたことは、光栄なこと」と話す。同社の上島憲社長は「遷宮のことは広く知られるようになったが『お白石持ち行事』については、まだまだ知られていない。その意味や、伊勢の人たちがどんな思いでこの行事に参加しているかを歌にして多くの人に知っていただき、後世まで語り継いでもらいたいと思い奉納させていただいた。これから始まるお白石奉献が無事完遂されることを祈願した」と話す。
同社は「白石献上歌」完成を記念して同曲を収録したCDを1000枚プレス。先着100人に同CDをプレゼントする。希望者は、送料500円分の切手を同封の上、申し込む。送り先は、〒516-0014 三重県伊勢市楠部町248-1株式会社伊勢之里 「白石献上歌 CD」係。