真珠養殖盛んな英虞湾の中心に位置する2つの橋で結ばれた賢島にある通信制高校「代々木高等学校」（志摩市阿児町、TEL 0599-43-6177）の8回目の卒業式が3月8日、同校1階ホールで行われた。

志摩「代々木高校」8回目の卒業式

　卒業生の胸には自分たちが作った「世界に一つだけの真珠」が輝き、卒業生たちは晴れやかな表情で卒業式を迎えた。真珠は、同校3年生が総合学習の授業で伊勢志摩の地場産業である真珠養殖業ついて学んだ際に作ったものだ。

　同校はプロのスポーツ選手やミュージシャン、漁師や調理人などを目指す生徒や、さまざまな理由で全日制高校に通うことが出来なくなった生徒たちを受け入れている。この日は在校生や卒業生の家族らが見守る中、同校の一色真司学校長から卒業生一人一人に卒業証書が手渡された。

卒業生は感謝の気持ちをマイクを通して言葉にした。

　同校フリースクールコースに通った柳生知美さんと伊藤遥さんは「最初は殻から出ることができなかったが、今では自分の力で殻を破って行動できるようになった。（代々木高校に来るまでは）人に頼らなければ何も出来なかった自分から、今では頼られる自分になっていた」と緊張しながらも今の心境を打ち明けた。

　一色校長は「自分の意志と足で歩けるように、それぞれの道を将来に向かって進んでいってほしい」とエールを送った。2013年度の同校卒業生は、三重県内の賢島本校と伊勢中川・津のサテライト校などの生徒45人を含む269人。