伊勢神宮の「遙宮(とおのみや)」「元伊勢」などと呼ばれる内宮(ないくう)別宮の「瀧原宮(たきはらのみや)」(度会郡大紀町)で4月15日、20年に一度社殿や神宝などを新しくする式年遷宮行事「立柱祭」と「上棟祭」が行われた。
天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)を祭る「瀧原宮」と「瀧原竝宮(たきはらならびのみや)」は、日本一の清流「宮川」の上流約40キロの地に立つ。第11代垂仁天皇の皇女倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大御神(あまてらすおおみかみ)の鎮座地を探し求めて、宮川下流の磯宮(いそのみや)のある地から上流を目指してたどり着いた地とされる。「瀧原宮」と「瀧原竝宮」は並んで立ち、新たに造営される両宮はその奥(東側)。
立柱祭は、正殿を支える御柱(みはしら)を立てる祭典で素襖烏帽子(すおうえぼし)姿の小工(こだくみ)と呼ばれる宮大工4人が10本の御柱の木口を木づちで打ち固め新殿の安泰を祈願する。上棟祭は、屋根の一番高いところの棟木(むなぎ)を組み終わる時に神職らが棟木から垂らされた2本の白い布綱に手をかけ、小工が屋根の上から「千歳棟(せんざいとう)、万歳棟(まんざいとう)、曳々億棟(えいえいおくとう)」と唱え木づちで棟木を打ち固め「棟や梁(はり)が緩まないように、動かないように」と祈願する。
その後両宮は、5月5日に「檐付祭(のきつけさい)」、6月25日に「甍祭(いらかさい)」を執り行う。