多気郡明和町のマスコットキャラクター(ゆるキャラ)「めい姫」のテーマソング制作に明和町が本腰を入れている。10月28日、全国から募集して集まった歌詞の中から最優秀賞(採用作品)を選ぶ選考会が明和町役場で行われた。
約1000年前の平安時代、斎王(さいおう)と斎宮(さいくう)のそばで咲いていたノハナショウブが、斎王のみやびな姿に憧れるうちに、その思いが「めい姫」の姿になったという設定。斎王制度が廃止されてからはその姿を見ることはなかったが、斎宮跡の発掘調査が進行していくといつの間にか再び姿を見せるようになった。好きな食べ物はヒジキのふっくら煮物と炊きたての「ぎんひめ(コシヒカリ)」、祭りや花火大会の雰囲気、かれんに咲くノハナショウブが好きで、性格はのんびり屋だが好奇心旺盛でやんちゃ。現在は明和町役場に居候中。身長は131.0(サイオウ)センチ、体重は31.9(さいくう)キログラム、口癖は「わらわ」や「そち・そなた」「(語尾に)~じゃ」だというが、しゃべらないゆるキャラだ。
「めい姫テーマソング」歌詞募集は、今年7月から9月まで行った。明るく口ずさみやすく、親しみやすいもので、2番以上を作ることなどが条件。北海道から九州までの78人(県内40人、うち町内16人)から111作品の応募があった。作曲は、同町出身の作曲家で、映画やドラマのテーマ曲やSMAPやEXILE、中島美嘉などに楽曲提供している長岡成貢さんが担当する。
同町では現在、三重県の主導で平安時代の斎宮「高床式入母屋造の正殿」「高床式切妻造の西脇殿」「土間床切妻造の東脇殿」平屋で檜皮(ひわだ)ぶき屋根の3棟の復元建物を建設中で、来年7月の完成を目指している。来年3月1日の「梅まつり」にテーマソングの発表と表彰式を行い、世界の共通語でもある音楽を通して内外に斎宮をアピールするのが狙いだ。CD化やデジタル配信などを通して広く配布することも計画中だという。
この日、中井幸充明和町町長や北岡泰議会議長、伊藤久美子斎宮歴史博物館館長ら15人の選考委員は、長岡さんを選考委員長に指名。あらかじめ長岡さんが111作品から13作品に絞ったものの中から、上位3作品を選び、さらに最優秀賞作品を決定した。
最優秀賞には伊勢市の山本芳登(よしと)さんの「めい姫のテーマ ユーめい姫ドリーム」が選ばれた。優秀賞は大阪府東大阪市の駒井瞭(りょう)さん、佳作は東京都世田谷区の保岡直樹さん。
長岡さんは「リズム感があり、みんなが元気になるような曲を心を込めて作っていきたい。めいちゃん(めい姫)が全国を駆け巡って明和町や斎宮をPRできるよう、たくさんの人に広く愛される曲に仕上げたい」と意欲を見せる。