志摩の食品メーカー「まるてん」(志摩市大王町)が11月24日「いい節の日」に、ご飯の上に載せてお茶漬けにする商品「きざみ 茶漬 鰹(かつお)です」を発売する。
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大王崎灯台が見える丘の上で昔ながらの製法を守り続けながらかつお節を製造販売する同社。1822年の「諸国鰹節番附表」は、全国のかつお節産地122カ所を大相撲の番付表に見立てている。行司役に「志摩 波切節(なきりぶし)」の名が記されている。太平洋に面する波切地区で作るかつお節が、江戸時代後期に「波切節」としてブランド化していった。
同社は、カツオをいぶすためのいぶし小屋を1946(昭和21)年に建て、かつお節の製造・販売がメーン。かつお節は、江戸中期から伝わる「手火山(てびやま)」製法で、5~6段に重ねたせいろにカツオを並べ、ウバメガシのまきを燃やしたじか火で約1カ月間、水分が20~18%になるまで何度も繰り返しいぶし、その後3~4カ月掛けカビ付けを行い、さらに水分を1%程度落としてうま味と香りを付ける。
同商品は、生節よりも硬く、かつお節よりも柔らかいかつお節を刻み、志摩産のアオサノリやゴマ、ショウガを入れてビン詰めにした。社長の天白幸明さんは「昔、柔らかめのかつお節を刻んでお茶漬けにして食べた。この食文化を伝えたいと思い商品化した。熱々のご飯の上にふりかけてお茶漬けにするとかつお節の風味がたまらなく、何杯も食べてしまう」と話す。
価格は1ビン(70グラム入り)864円。