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志摩の「まるてん」かつお節のいぶし小屋を京都のミシュラン和食料理長らが見学

志摩の「まるてん」かつお節のいぶし小屋を京都のミシュラン和食料理長らが見学

志摩の「まるてん」かつお節のいぶし小屋を京都のミシュラン和食料理長らが見学

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 かつお節の製造・販売を手掛ける「まるてん」(志摩市大王町)の「いぶし小屋」に1月31日、「ミシュランガイド京都・大阪 2016」掲載店の京都の和食店料理長らが見学に訪れた。

【その他の画像】志摩の「まるてん」かつお節のいぶし小屋

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 同社は、大王崎灯台が見える丘の上にカツオをいぶすための「いぶし小屋」を1946(昭和21)年に建て、江戸中期から伝わる「手火山(てびやま)」製法を守り続けながらかつお節を製造する。5~6段に重ねた木のせいろにカツオを並べ、ウバメガシのまきを燃やしたじか火で約1カ月間、水分が20~18%になるまで何度も繰り返しいぶし、その後3~4カ月掛けカビ付けを行い、さらに水分を1%程度落としてうま味と香りを付ける。

 この日は、文化・文政年間創業の生麩専門店「麩嘉(ふうか)」(京都府京都市上京区、TEL 075-231-1584)の社長・小堀周一郎さんと、京都で人気を集める飲食店の30~43歳の若手料理人合わせて11人が、和食のだし・うま味の原点でもあるかつお節の「本物を見たい」と参加した。

 社長の天白幸明さんは「全国のかつお節産地122カ所を大相撲の番付表に見立てた『諸国鰹節番附表』(1822年)に行司役として『志摩 波切節(なきりぶし)』の名が載っている。太平洋に面するこの波切地区はかつお節加工の産地として栄えた。江戸時代後期には『波切節』がブランド化した。かつお節の大手メーカーでもある『にんべん』(東京都中央区日本橋室町)の初代もこの波切でかつお節作りの修業をした。この地域のかつお節は伊勢神宮の神饌(しんせん)として納められてきた経緯がある」などをわかりやすく説明すると、一様にうなずいていた。

 その後、土鍋で炊いた炊きたてのご飯に削りたてのかつお節としょう油だけを混ぜた「おかかご飯」やかつおだしでとった伊勢エビのみそ汁などをその場で食べさせると、料理人たちは「うまい」と納得していた。

 2014年6月にオープンしてミシュラン一つ星を獲得する「なる屋」(同中京区、TEL 075-252-1199)の店主兼料理長の上嶋良太さんは「初めてかつお節のいぶし小屋に来たがとても勉強になった。京都からとても遠くてびっくりしたが、来たかいがあった。生産者さんと製造現場を見せていただき、私たち料理人はその食材を大切に使い生かし切らなければいけないと感じ、いつまでも生産し続けていただくためにも手を抜かず料理を作り、店を繁盛させなければいけないと思った」と話す。

 天白さんは「ミシュランに載るほどの料理人さんたちが京都からわざわざ来ていただき、とても有り難く思う。だしやおかかなどを試食していただいた時には緊張したが、みんながおいしいと言ってくれたのでうれしかった。一流の料理人に認めていただける本物のかつお節をこれからも作り続けていきたい」と意気込みを言葉にした。

 「麩嘉」「なる屋」のほか参加した料理人の店舗は、「祇園(ぎおん)ろはん」(同東山区、TEL 075-533-7665)、「和食 晴ル」(同下京区、TEL 075-351-1881)、「燕(えん)」(同南区、TEL 075-691-8155)。

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