おにぎり専門店「土釜と炭火 伊勢むすび」(伊勢市吹上、TEL 090-8865-1706)が1月11日、伊勢市駅と宇治山田駅の中間に位置する場所に開店した。
店主の河中希帆子さんは現在53歳。築50年の自宅を店舗に改装し、厨房スペースとカウンター8席のイートインスペースを設け、テイクアウト専用の窓も玄関横に取り付けた。
河中さんは「子どもの頃は、伊勢神宮の外宮(げくう)が遊び場だった。勾玉(まがたま)池や茜社(通称あこねさん)で駆け回っていた。祖母の部屋だった和室の2部屋を店舗に改装。20代の頃からおにぎり店をしたいと思っていた」と話す。
これまで河中さんは大手旅行会社に7年近く勤務し、旅行業務取扱管理者の資格も持つ。その後、尾鷲市の地域活性化を目指して尾鷲観光物産協会に転職、物産開発やイベント企画など、約3年間事務局長として活躍。県内の商業施設2カ所で、三重県の魅力を発信する仕事を担った。
米は伊賀のこしひかり特別栽培米を使い、四日市の萬古焼の土鍋「ベストポット」で毎日炊き上げる。焼きのりは鳥羽産の一番のりを、おかかは志摩市の鰹節店「かつおの天ぱく」、塩は伊勢市二見浦の「岩戸の塩工房」、ちりめんとカキの時雨煮は鳥羽の「浜与本店」、深海に生息するガス海老は紀北町の「甚昇丸」、サーモンは「尾鷲物産」、みそは伊勢の「糀屋」などと食材にもこだわった。さらにサーモンなどの干物は紀北町の紀州備長炭製造業「大自然本舗えむてぃ」から仕入れた備長炭で焼くこだわりよう。
おにぎりは「岩戸の塩むすび」(250円)、「本枯れ節削りたておかか」(330円)、「ちりめん山椒と玉ねぎピーマン」(350円)、「ガス海老天」(380円)、「松阪牛しぐれ」(450円)など11種類を提供する。
河中さんは「塩むすびとおかかのおにぎりに天日干しのめざしやだし巻き卵、みそ汁などをつけた『伊勢むすび朝食セット』(950円)を提供。近隣にホテルが多いので、宿泊された方が二見の塩むすびを食べていただいた後、外宮にお参りに行っていただければ。観光客はもちろんですが、地元の人にも気軽に食べに来ていただければ。これまでの経験を生かして、おむすびを通して、三重県の食材のおいしさ、すてきな場所や文化などを皆さまにお伝えしたい。外宮さんで育ててもらったので、恩返しとして、ここでおばあちゃんになるまで続けて行きたい」とも。
営業時間は8時~15時、火曜、隔週水曜定休。