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志摩・佐藤養殖場が創業100年 日本のカキ養殖のスタンダードつくる

志摩・佐藤養殖場が創業100年 日本のカキ養殖のスタンダードつくる

志摩・佐藤養殖場が創業100年 日本のカキ養殖のスタンダードつくる

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 的矢湾でカキの生産と販売、直営のレストラン「的矢かきテラス」の運営を手がける佐藤養殖場(志摩市磯部町)が「的矢かきの日」の4月1日、創業100周年を迎えた。

【その他の画像】佐藤養殖場創業100周年

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 同社は1925(大正14)年、水産学者の佐藤忠勇(ただお)博士(1887~1984)が創業。佐藤博士は、当時成長するまで2~3年かかっていたカキを1年で出荷できるように、かごの中にカキを入れ海の中につるす「垂下式カキ養殖法」を発明。その後、生では食べることができなかったカキを安心して食べられるように、出荷前の食べ頃となったカキを紫外線殺菌した海水に20時間以上漬け浄化する「紫外線滅菌浄化法」などの技術を発明し、水産業界発展に貢献した人物。「垂下式カキ養殖法」などの養殖技術を広く公開し、日本のカキの品質を画期的に向上させた。同社が、志摩の的矢湾で養殖する「的矢かき」は2002(平成14)年3月に「三重ブランド」第1号に認定された。同社は昨年、4月1日を「的矢かきの日」として記念日登録した。

 「的矢かきの日」は、カキ養殖の父・佐藤博士の功績をたたえ、創業100年を迎えるの機に、伊勢志摩の自然の恵に感謝し、「的矢かき」をさらに知ってもらおうと、佐藤博士の命日に当たる4月1日を記念日にと日本記念日協会に登録したもの。

 濱地大規社長は社員に、「日本の会社は、起業後1年で約6割が廃業し会社の平均寿命は約30年、100年間存続できる会社は全会社の1.2%だという。平均寿命30年の理由は、創業者から後継者へのバトンタッチが難しく、3代目以降の継承ができないこと。時代の変革期に対応できないことだといわれている。佐療養殖場が100周年を迎えることができたのは、初代の先見の明と努力が全ての原点。それに人生の大切な時間を使い情熱をもって支え続けた従業員や協力者がいたから」と説明する。

 「100年の中には戦争、地震、津波などのほか、他地域との競争、ホテル業界の生食カキ提供禁止、近年の海の環境変化とコロナ禍の打撃など、さまざまな困難を乗り越え、今日の日を迎えることができた。100周年を目前に会社存続の危機に陥っていた2021年、現体制に継承後、再起を懸けて再出発した。ここにいるみんなで力を合わせ努力した結果、3年で緊急事態を回避し、奇跡の経営改善を行うことができた。この成果は胸を張って誇れることで、初代にも胸を張って報告できること。佐藤養殖場はまだまだ経営再建中であり取り巻く環境は予断を許さない状況だが、時代に応じた改革と新たな挑戦で、ここにいるみんなが物心共に豊かになるよう力強く前進していこう。『カキを通して一生の記憶に残る感動瞬間を作り出すこと』を使命に、新たな100年をつくる一歩を踏み出していこう」と力強く訴えた。

 3月31日には、かつて佐藤博士がカキ養殖の研究にいそしんだ「的矢湾牡蛎研究所」と佐藤博士の自宅のある敷地を社員と共に清掃し、1982(昭和57)年に同施設内に設置された佐藤博士の胸像を心を込めて磨き上げた。

 同社で20年間働く志摩市在住の中村千恵さんは「改めて、社長から先代の功績を聞き、100年の中の、自分がその20年間に関われたことに誇りと感謝が込み上げてきた。カキが大好きでカキを食べているからか、風邪も引かない体になっていると思う。今、新事業の担当になり、また新たな仕事の楽しみを覚えているところ」と話す。

 同社は本年度、さまざまな100周年記念事業を計画している。

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