
今年で創業250年を迎えた伊勢の餅菓子「へんば餅」を製造販売する「へんばや商店」(伊勢市小俣町)が7月1日、創業250周年第2弾となる夏休み企画として直営4店舗を巡るスタンプラリーを始めた。
丸く平らな餅の中にこし餡を包んで両面を軽く焼き焼き色をつけた「へんば餅」(10個入り900円)は、伊勢参宮街道最後の宿場町・小俣で1775年に生まれた。「へんば餅」の名前の由来は、馬を返した場所「返馬所(へんばじょ)」の近くで茶屋を営み、餅を提供していたことから「返馬餅」と言われるようになったと伝えられている。
第1弾は新春企画として、「わたしのへんば餅」の題目でへんば餅に関わるエッセーを募集したところ、全国のへんば餅ファン891人から応募があり、16作品を最優秀賞や優秀賞などに選定。最優秀賞には鳥羽国際ホテル(鳥羽市)の宿泊券とへんば餅型の特大クッションなどを贈った。参加者全員に記念の手ぬぐいを進呈し、ウェブサイト上でタイトルとペンネームを記した。
スタンプラリーは、本店(小俣町明野)、宮川店(西豊浜町)、おはらい町店(宇治浦田)、伊勢市駅前店(本町)の直営4店舗に設置したスタンプを集めるもの。各店舗で買い物をし、へんば餅型のオリジナルうちわをもらい、全店舗を巡ってそのうちわに4店舗のスタンプ全てを押すとオリジナルグッズ(ハンドタオル、文具セット、エコバッグ、湯飲み)がもらえる。
奥野耕二郎社長は「『わたしのへんば餅』には891人ものお客さまから心温まるエッセーを送っていただいた。従業員と共に全てに目を通し、驚きとうれしさで胸がいっぱいになるとともに、身が引き締まる思いになった。高齢者の方からは昔の本店の様子などを伝えてもらい当時の情景が目に浮かんだ」と話す。
「第2弾のスタンプラリーは、初日から大勢の人が参加してくれて、全店舗制覇した人も何人かいた。地元の人には、本店と宮川店以外にも足を運んでもらう機会になれば。限定グッズには数に限りがあるので、希望のものがなくなっていた時にはご容赦いただければ」とも。
そのほか、創業250周年記念として、直営4店舗の店舗型の箱入りの商品「へんば餅個包装7個入り」(1,000円)を各店舗で限定販売している。第3弾の秋祭り企画では、へんば餅の歴史とこれからを紹介する企画展を4店舗で同時開催する予定。そのほか創業250周年記念を契機に同社は昨年4月、「へんばや農園」を立ち上げ、へんば餅や赤飯、さわ餅などで使っているもち米の肥沃(ひよく)餅の生産にも取り組んでいるほか、本店周辺に自然環境に順応した庭園を整備している。
スタンプラリーは8月31日まで。