ノリの佃煮の原料として使用される志摩の特産品「あおさ(和名=ヒトエグサ)」のブランディング化と消費拡大を狙って志摩市が7月15日、「志摩市あおさプロジェクト」を発表、同時に公式ホームページとオリジナルキャラクターの「あおサ~」を公開した。
「あおさ」は真珠養殖盛んな英虞湾、的矢かきで有名な的矢湾などで生産され、昨年の志摩市の生産量287トン、生産金額にして約12億円で全国生産量の約3割を占めている。ノリの佃煮原料以外にも近年、食物繊維が多く含まれることから健康食品としても注目されている。また陸上の植物と同じように光合成を行い、海中の二酸化炭素を吸収するとともに酸素を放出することから、あおさ1キロ(乾燥重量)が育つ時に吸収される二酸化炭素の量は1.1キロになる。さらに海水中の窒素やリンの回収にも効果があるという。1年間に人間は約320キロの二酸化炭素を排出するといわれるので、志摩市のあおさ生産で約1,000人分の二酸化炭素をカーボンオフセットすることになる。
同プロジェクトは、志摩市の特産品である「あおさ」のおいしさと素晴らしさを全国にPRし、「あおさ」の消費拡大を図るとともに、より高品質な「あおさ」を安定生産することを目的に、同市役所内観光戦略室、水産課、企画政策課、商工課、市長公室の職員14人で立ち上げた重点事業。
竹内千尋志摩市長は「志摩市を代表する水産物のひとつ『あおさ』を味噌汁の具や、天ぷらにして食べると、磯の香りがよく最高。しかも食物繊維が豊富でカロリーも低く、『脱メタボ』にも最適。このプロジェクトでは、消費・生産の拡大のほか、あおさ養殖を通じた地球温暖化防止や海洋環境保全への貢献、エコツーリズムの推進にもつなげていきたい」と話す。
「原油高の影響からあらゆるものの価格が上昇している。食料品の高騰も著しく、最近では小麦の価格上昇から『コメ食』が見直されている。コメの消費は食料自給率の向上にもつながるから、みんながごはんを食べればノリの佃煮が売れ、『あおさ』の需要が伸びる。『あおサ~』とともによろしくお願いします(笑)」(竹内市長)とも。
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