伊勢志摩を桜で満開にしたい――と夢を馳せ、生前桜の植樹をし続けた石原円吉翁。その円吉翁の銅像が建つ公園(志摩市志摩町和具)で4月12日、1941年~1942年生まれの地元和具中学同級生らで作る団体「よろやん会」らが公園の清掃と桜の植樹を行った。
石原円吉翁の銅像と石碑。草が覆い茂っていた公園は清掃できれいになった。
御木本幸吉翁とともに「伊勢志摩国立公園」の指定に尽力した石原円吉翁は、志摩市志摩町和具出身。海の博物館(鳥羽市浦村町)の館長の実父。水産加工の振興に力を注ぎ、ヨウド生産、貝ボタンや魚介缶詰めの製造などを事業化し成功した。その功績を称え、石碑と銅像が建造され何度か移設の末、同公園に設置された。公園からは太平洋が一望できる。
今年も「円吉桜」が伊勢志摩の至る所で満開の花を付け、人々の心を和ませた。しかしながら生まれ故郷の地に「円吉桜」が少ないことから、「円吉さんの公園に桜が1本も植えられていないのはかわいそう。桜を植えて『円吉桜』の花見ができる『円吉公園』にしよう」と管理が行き届かず荒れていた同公園の清掃と桜の植樹を行った。
同会メンバーの宝門孝雄さんが理事長を務める志摩環境事業協業組合からは延べ約20人の社員がボランティアで清掃活動に協力した。宝門さんは「こんな素晴らしい公園があったことなど市民は知らなかったのでは。これを機会に『円吉公園』に親しみをもってもらえれば」と話す。