志摩の国漁協和具青壮年部(片山孝治部長)主催の「伊勢エビ刺し網オーナー体験」が10月24日、志摩市志摩町の和具漁港であった。オーナーは、現役の漁師らと一緒に漁船に乗り込み、漁の楽しさと厳しさを体験、三重県ブランドでもある志摩産の伊勢エビのおいしさを体感した。
オーナー制度は、4隻の中から1隻を選び、選んだ船の刺し網にかかった伊勢エビや魚を分配するというルール。船によって漁獲量が前後することやオーナーの人数によって山分けする量が増減するため、参加者は大きな期待を抱いて参加した。
この日は、県内外から応募のあった約60人のオーナーとその家族ら約200人が和具漁港に集合。乗船希望者が、4隻の漁船に乗り込み、漁港の沖合い約2キロに仕掛けた網に向かい、漁師らと刺し網を引き上げた。引き上げた網には伊勢エビやサザエ、カワハギなどがかかっていた。中にはハリセンボンやエイなど針に刺されるとけがをするものもかかり、漁師らは参加者にけがをさせないよう優しく注意を促した。
帰港後、各隻ごとに網にかかった伊勢エビ、サザエなどの貝類、魚を家族や仲間と一緒になって丁寧に外し、全員で山分けし、その場で土産用に梱包したり、刺身やバーベキューで捕れたての新鮮な伊勢エビを堪能、振る舞いの伊勢エビ汁やてこね寿しとともに志摩の味を楽しんだ。当日は志摩いそぶえ会(同)による伊勢エビのさばき方講習コーナーも用意された。
各船の漁獲量は、敏司丸=23キロ(1口当たり1.9キロ)、片山丸=28キロ(同2.1キロ)、政丸=25.5キロ(同1.4キロ)、大山丸=18.5キロ(同1.3キロ)。今年は片山丸が昨年最階位だった雪辱を果たして優勝した。
夫婦で参加した奈良県宇陀市在住の中村正徳さんは「すっかりエビを堪能した。お土産もたっぷりでき、また来年参加する」と伊勢エビをほうばりながら話した。
同部は、伊勢エビのブランド化を目指したPRのため同25日10時から、インターネット上で伊勢エビ1キロ詰め合わせ(2~5匹)を6,500円(送料込み)で販売中。毎年すぐ完売するほどの人気になっている。