伊勢神宮内宮を流れる五十鈴川にかかる宇治橋の12月1日は、11月3日に新しく架け替えられて最初の朔日参り(ついたちまいり)の参拝客を渡す日になった。
本居宣長も宇治橋前に?自前の「マゲ」に朝日が輝く。伝承文化研究所・小林隆所長の衣装は一際目立っていた。
伊勢には毎月1日を朔日参りとして、先月を無事に過ごせたことに感謝するおかげ参りの風習があり、早朝から多くの参拝客が伊勢神宮を訪れる。
赤福(伊勢市宇治中之切町)では毎月1日だけ販売する「朔日餅」を買い求める行列、おかげ横丁(同)の各飲食店ではこの日だけ提供する「朔日朝粥」、そのほか「朔日朝市」など早朝から多くの人が伊勢神宮周辺に集まっている。
冬至の日(12月22日)をはさむ2カ月間、宇治橋の鳥居の中に朝日が入ることから日の出前には多くのカメラマンが宇治橋前に陣取る景色も冬の風物詩となった。
この日は、朔日参りに訪れる参拝客と新しい宇治橋と日の出を鳥居の中に収めようとするカメラマンら約100人以上が宇治橋前に集まった。7時23分、島路山から一筋の光が宇治橋を渡り、鳥居をくぐりぬけると朝日を見守る人々を照らし感動を与えた。
本居宣長と吉田松陰を敬愛し自身もマゲを結い、羽織袴のいでたちで一際目立っていた、美しい日本語を伝えようと活動する伝承文化研究所(東京都中野区)の小林隆所長は「心の原点=古事記の原点=伊勢神宮に御垣内参拝するために宇治橋前で待ち合わせをしていたが、偶然の出来事(宇治橋からの美しい朝日)に驚いた」と感動した様子を見せた。
伊勢市観光協会では宇治橋前で12月22日、「冬至祭」を開催。当日は「冬至ぜんざい」を振る舞う。