毎年夏至の日(今年は6月22日)前後2カ月間にだけ、二見興玉神社(伊勢市二見町)の夫婦岩の間から朝日が上がるため夜明け前から大勢のカメラマンが同神社境内の富士見橋の上に行列を作る。
さらに夏至の日前後2週間は夫婦岩と200キロ離れる富士山と朝日が一直線に並ぶ。しかしながら梅雨時期とも重なるため朝日が出る確率も低い。カメラマンの中にはそんな珍しい写真を撮ろうとわずかな可能性を信じて泊りがけで待つ人も多い。
6月9日は、惜しくも水平線上に厚い雲があり5時6分ごろ高い位置からの朝日だった。14日は、薄っすらとした雲が覆っていたためもしかしたらきれいなオレンジ色のシルエットの太陽が現れるかも?と期待をしたが結局現れなかった。
同神社では、6月16日(旧暦の5月15日)に竜宮社の例祭に併せて「郷中施(ごじゅうせ)」という特殊神事が行われる。同祭は、1792年5月15日にあった大津波の被害者への供養と再び大災害が起こらないように祈るもので、80センチの木舟に「キュウリ」「ミル(海草)」「マツナ」を供える。供物には「(大津波を)急に、見るな、待つな」の意味があるという。
6月22日3時30分からは夏至祭が斎行される。日の出予定時刻の4時40分に夫婦岩の前の海に浸かり、みそぎをしながら朝日に向かってお祈りをする。前日の21日から(初穂料5,000円)と、当日のみ(初穂料3,000円)の参加が可能。問い合わせは同神社社務所(TEL 0596-43-2020)まで。
今年は6月16日、皆既月食が起こる。3時22分ごろから部分食が始まり、4時22分ごろ皆既食が始まる。天気がよければ16日の早朝のカメラマンは、2つの「奇跡」の瞬間を撮影しようと忙しくなるだろう。