伊勢出身の詩人・竹内浩三と東日本大震災後の「ACジャパン」のテレビコマーシャルで何度も放送された「こだまでしょうか」の詩人・金子みすゞの詩を朗読するイベント「こころの詩人金子みすゞ いのちの詩人竹内浩三」が5月12日、赤門寺正寿院(伊勢市岩渕)で開催される。主催は竹内浩三を読む会。
月に一度、竹内浩三の詩を朗読し、多くの人に竹内の詩を知ってもらおうと活動する同会。昨年は竹内浩三生誕90周年のイベントを開催し、プロのナレーターで作家・画家のよしだみどりさんによる朗読と語りなどを実施した。
1921(大正10)年生まれの竹内は1942(昭和17)年に入隊し、1945(昭和20)年4月9日、太平洋戦争フィリピンバギオ島で戦死。死後、実姉・松島こうさんらによって生前に書いた詩や漫画などがまとめられ作品が世に出ることになる。一方、山口県出身の金子は1903(明治36年)生まれ、1930(昭和5)年没、実弟の上山雅輔さんらによって作品が保管されていた。
他界後、それぞれ肉親が作品を大切に保管していたことが詩人をよみがえらせるきっかけとなった点が共通する。2人を研究し、2人の詩集などを編集・書籍化してきたよしださんが今年も朗読と語りを行い、2人の魅力について話す。併せて、よしださんが「竹内浩三楽書き詩集」「金子みすゞ心の詩集」(以上、藤原書店)の中で挿絵として描いた原画も12日13時~17時、13日10時~16時に展示する。
講演は12日14時~、朗読は15時~。定員は先着120人。入場無料。問い合わせは同寺(TEL 0596-28-4540)まで。