伊勢神宮の専用水田で田植え-背中に卵を背負ったコオイムシも見守る

伊勢神宮の専用水田で田植え-背中に卵を背負ったコオイムシも見守る

伊勢神宮の専用水田で田植え-背中に卵を背負ったコオイムシも見守る

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 伊勢神宮の神様に毎日朝夕2回の食事をお供えする日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)や三節祭、そのほかの祭りなどで使う米や酒、餅などを作る伊勢神宮の専用水田=神宮神田(伊勢市楠部町)に早苗を植える「神田御田植初(しんでんおたうえはじめ)」が5月12日、古式ゆかしく執り行われた。

神宮神田で御田植初め

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 同祭は、昔から神宮神田と深い関わりのある地元楠部町の「神宮神田御田植祭保存会」の会員が中心となって奉仕する。その起源は明らかでないが、鎌倉時代から行われていたのではと推定されている。一時中絶されていたが1889(明治22)年に神田が再興、1924(大正13)年に御田植行事も再び行われるようになった。

 祭りが始まると強い風が吹き、辺りの空気を動かした。この日は快晴。同会の奉仕員は、笛や太鼓を鳴らしゆったりとした田楽の音色を聞きながら、子持帷子(かたびら)に烏帽子、青いたすき姿の男性10人と、菅笠に白衣、赤いたすきをかけた女性10人が1列に並び、チヨニシキの早苗を水田に植えた。今月中に同水田全域に5種類のうるち米ともち米を植える。

 早苗を植え終わると、手に竹扇を持った男性10人が東西に整列し、「ヤア」と掛け声を掛け合いながらイナゴを払う動作を行う。水田の中では大黒と恵比寿の絵が描かれた大団扇(ごんばうちわ)を持った2人が団扇合を行いながら3回まわり、豊作を祈った。

 同祭が終わるとどこからともなく再び強風が吹いた。隣の水田では雌が雄の背中に卵を産みつけ、雄が子を育てる水生昆虫のコオイムシが数匹、静かに祭りを見守っていた。

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