5月に伊勢神宮の臨時祭主に就任した黒田清子さんが10月15日~17日、年間1000以上執り行われる伊勢神宮の祭りの中で最も重要な祭典(重儀)とされる「神嘗祭(かんなめさい)」を初奉仕した。
黒田さんは、現在の祭主・池田厚子さんの補佐役として4月26日に臨時祭主に就任。今回の奉仕は、5月14日に神様の衣替えともいわれる「神御衣祭(かんみそさい)」を初奉仕して以来。
祭典はまず内宮にて15日、17時~無事に祭典が行われるようにと「興玉神祭(おきたましんさい)」、神職が祭典奉仕をしてもいいかどうかを占う「御卜(みうら)」を行う。同日外宮にて、22時~「由貴夕大御饌(ゆきのゆうべのおおみけ)」、16日2時~「由貴朝大御饌(ゆきのあしたのおおみけ)」、12時~「奉幣(ほうへい)」、18時~「御神楽(みかぐら)」。続いて内宮にて、22時~「由貴夕大御饌」、17日2時~「由貴朝大御饌」、12時~「奉幣」、18時~「御神楽」と、ほぼ昼夜なしで粛々(しゅくしゅく)と執り行われる。 「由貴」とは、この上なく貴いという意味で、「由貴夕大御饌」「由貴朝大御饌」は、アワビや伊勢エビなど約30品目も並ぶ夕食と朝食の「大ご馳走」のこと。「奉幣」は勅使により天皇陛下からの幣帛(へいはく)を奉納すること。
神宮の森の木々の間から満天の星が輝く16日の夜、黒田さんは、白衣・緋袴(ひばかま)・小袿(こうちぎ)といった平安の装束姿で、松明だけの光の中「由貴夕大御饌」を滞りなく奉仕した。