三重外湾漁協和具青壮年部(城山直也部長)は10月20日、漁で捕れた伊勢エビを山分けするオーナー制度「伊勢海老刺し網オーナー」による1日体験イベントをオーナーとその家族ら約200人と共に和具漁港(志摩市志摩町和具)で行った。
和具青壮年部は、伊勢エビに全国初の産地表示タグをつけ伊勢エビのブランド化を成功させた。同事業は、志摩市和具沖で獲れる伊勢エビをさらに全国に発信・PRしようと和具青壮年部が企画したもので今年で5回目となる。
同制度は、80口限定でオーナーを募集。オーナーは敏司丸(船頭=中村龍司さん)、片山丸(同=片山孝治さん)、政丸(同=城山直也さん)、大山丸(同=大山満さん)の4隻の中から1隻を選び、選んだ船の刺し網にかかった伊勢エビや魚を「山分け」する。選んだ船の漁獲量と、山分けする時のオーナーの口数で1口当たりの量が左右するため、たくさん捕れた船を選んでも多くのオーナーがその船を選んでいると1口当たりの取り分が少なくなるなど、エンターテインメント性もあり毎年人気となっている。
参加者は、この日早朝8時に和具漁港に集合し、前日に仕掛けた刺し網を漁師らと引き上げる海上での「網揚げ」や、伊勢エビや魚などを網から取る陸上での「網さばき」を体験。その後、船ごとで計量し山分け。オーナーらは、その場で捕れたての伊勢エビをバーベキューで焼いて丸かじりにしたり、刺身で食べたりしながら1日を過ごした。三重郡菰野町出身の西村さんは家族で参加、西村さんの子どもは初めて見た伊勢エビを恐る恐る触り、目を丸くしていた。
今年は、34キロ(1口当たり1.7キロ)を水揚げた片山丸が優勝(敏司丸=29キロ、政丸=25キロ、大山丸=25キロ)。城山さんは「今年は昨年に比べて量が少なかったので、申し訳ないと思い特別に伊勢エビ1匹をサービスした」と打ち明けた。