センター試験も終わり、これからさらに本格的な受験シーズンを迎える1月、受験生にご利益がありそうな珍しい謎の深海生物が鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽)に持ち込まれ1月20日、一般公開が始まった。
持ち込まれた生物はゴカクヒトデ科の仲間で、学名「リトソマ・ジャポニカ・ハヤシ、1952」。日本固有種と考えられる珍しいヒトデで、日本では1952(昭和27)年以来の3例目。過去の2例は死んだ状態で見つかったため、生きたまま展示されるのは日本初(世界初)となる。
ゴカクヒトデは今月9日、三重県尾鷲市三木崎沖の水深約300メートルで、深海底引き網漁で捕獲され、同館に14日に持ち込まれた。薄いだいだい色をした五角形で、中央部から五角形の先端までの長さは約5センチで「五角=合格」が際立っている。
担当は、断食生活丸5年達成のダイオウグソクムシのエサやりに今も悩まされている飼育研究部の森滝丈也さん。森滝さんは「日本初の生体展示となる大変貴重なヒトデ。深海生物の生態研究に少しでも貢献できるように注意深く観察したい。ヒトデの一般的な寿命は6カ月以内なので、生きたゴカクヒトデを見るには今しかない。専門家の間でも注目を浴びるだろう」と話す一方、「(深海に住むゴカクヒトデの仲間はすぐにはエサを食べないものだが)持ち込まれて1週間になるが、実はまだエサを食べていない…(苦笑)」と打ち明ける。
ダイオウグソクムシ同様にまたしてもエサを食べない「謎の深海生物」として注目されるのか?それとも「合格ヒトデ」として受験シーズンに合わせて注目されるのか?ゴカクヒトデは同館2階の「へんな生きもの研究所」で展示中。
3月20日までの開館時間は9時~16時30分。入館料は、大人=2,400円、小人=1,200円、幼児(3歳以上)=600円。