三重県伊勢市に住むよしもとクリエイティブエージェンシー(本社=大阪市中央区)所属のカナダ人落語家・桂三輝(かつらさんしゃいん)さんが1月18・19日、昨年カナダとアメリカで行った巡回公演の報告会を「伊勢河崎 輝輝亭(ききてい)」(伊勢市河崎)で行った。
カナダ人落語家・桂三輝さんが北米巡回公演報告会「伊勢河崎 輝輝亭」で
三輝さんはカナダ・トロント出身で2008年に落語家の桂文枝(当時は三枝)さんの15番目の弟子として入門。2011年11月から三重県の「住みます芸人」として同地に住み、2012年6月に伊勢の自宅1階を寄席小屋に改装し、公演などを行っている。
三輝さんは、昨年の8月29日~10月5日の期間にアメリカのシアトル、ヒューストン、アトランタ、ニューヨークやカナダのバンクーバー、カルガリー、オタワ、モントリオールなど20都市で30公演を行い、古典落語「動物園」「みそ豆」「寿限無」や師匠文枝さんの創作落語「生まれ変わり」「宿題」などを披露した。在カナダおよび在アメリカ日本国大使館、総領事館でも臆せず笑いを取った。
2日間の報告会では、ヒューストンでカーボーイハットとウエスタンブーツを買って現地のパーティーに気合を入れて出席したら皆から「ドン引き」されたこと、アトランタで食事がフライ料理ばかりで6キロも太ったことなどのエピソードで会場を盛り上げ、イギリスのコントをアレンジして三輝さんが落語に仕立てたという新ネタの「喧嘩」や師匠の創作落語「鯛」などを披露した。
三輝さんは「日本の伝統話芸である古典落語と師匠の創作落語を海外にどうやって伝えたらいいか、アダプトすることが最大の目的だった。以前は(あえて相手に合わせて)例えば『宿題』の中に登場する『ツル』を『フラミンゴ』にアレンジして話したこともあったが、その時は受けるが何か違和感が残った。結局は落語そのものの世界観を伝えるには、僕が直訳して(ツルはツルとして)話をする方がうまくいくことがわかった。今回のツアーで、落語が世界共通だということを確信した」と自信を見せる。
2月22日・23日に、同所で公演を予定。新ネタの披露(ネタおろし)もあるという。問い合わせは同社三重県エリア社員の小林立実さん(TEL 080-2455-8912)まで。