伊勢神宮内宮(ないくう)別宮の「瀧原宮(たきはらのみや)」(度会郡大紀町)の「瀧原宮」と「瀧原竝宮(たきはらならびのみや)」の両宮で5月5日、式年遷宮行事の一つで屋根にかやをふき始める祭典「檐付祭(のきつけさい)」が行われた。
伊勢神宮の「遙宮(とおのみや)」「元伊勢」と呼ばれる同宮は、天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)を祭る。第11代垂仁天皇の皇女倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大御神(あまてらすおおみかみ)の鎮座地を探し求めて、宮川下流の磯宮(いそのみや)のある地から上流を目指してたどり着いた地とされる。日本一の清流「宮川」の上流約40キロの地に立つ。
「檐付祭」は屋根にかやをふく作業開始に当たって、作業の安全と作業がうまくいくように祈願する。祭典では、かやぶき工2人が屋根に上り最初のかやを置く所作を行った。かやぶき作業を終え最後に飾り金物を取り付ける祭典「甍祭(いらかさい)」が6月25日に執り行われる。
自然豊かで広大な森を持つ同宮には、さまざまな野鳥たちも成育する。祭典が始まると、スズメ目アトリ科の鳥「イカル」が「月、日、星(つきひほし)」「(お菊24(おきくにじゅうし)」と鳴きながら終始祭典を見守った。