伊勢神宮内宮(ないくう)別宮で「倭姫命(やまとひめのみこと)」を祭る「倭姫宮」(伊勢市楠部町)で7月15日、遷宮行事の一つで屋根にかやをふき始める「檐付祭(のきつけさい)」が行われた。
檐付祭とは、屋根にかやをふく作業開始にあたって、作業の安全と作業がうまくいくように祈願する祭典。祭典では、かやぶき工2人が屋根に上り最初のかやを置く所作を行った。この日からかやふき作業が開始され、9月5日に行われる「甍祭(いらかさい)」まで作業が続く。
倭姫命とは、第11代垂仁天皇の皇女で、「ヤマトタケル・日本武尊・倭建命(やまとたけるのみこと)」の叔母にあたり、ヤマトタケルに三種の神器の一つ「草薙剣・草那芸剣(くさなぎのつるぎ)・天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」を与えたとされる人物。2000年前、天照大神(あまてらすおおみかみ)の鎮座地を求めて各地を転々と巡り、紀元前4年に伊勢にたどり着き、神宮を創建。その後、神嘗祭(かんなめさい)をはじめとする年中の祭りを定め、コメ作りを伝えたとされる。倭姫宮は、1923年(大正12)11月5日に創建。一昨年鎮座90周年を迎え、伊勢神宮125社中最も新しい。