「愛洲の里・愛洲の館」(南伊勢町)で8月24日、剣術「陰流・影流(かげりゅう)」の祖、剣道の始祖とされる「愛洲移香斎(あいすいこうさい)」の偉業を讃える「剣祖祭(けんそさい)」「愛洲氏顕彰祭」が執り行われ、19団体130人以上の剣士が木刀や真剣などを使い日頃の鍛錬の成果を奉納演武した。
愛洲移香斎(1452年~1538年)は、伊勢の豪族「愛洲氏」の一族で、本名は愛洲太郎左衛門久忠。移香斎が起こした「陰流」は、後に「新陰流」(上泉伊勢守秀綱)、「柳生新陰流」(柳生石舟斎)など剣術の源となった。「念流」「神道流」と合わせて「剣術三大源流」とも呼ばれている。
今年で33回を数える同祭、本来は愛洲城(五ヶ所城)跡の森林の中にたたずむ愛洲移香斎記念碑の前で執り行われる予定だったが、この日は悪天候のため同館の剣道場で執り行われた。剣士たちは流派の形の違いなどを食い入るように見て学んでいた。
「大和柳生新陰流兵法」の宗家・植木康行さんは「古武術は形を変えてしまっては継承することにはならない。後世に繋ぎたい」と継承することの大切さを訴えた。