「高校生レストラン」や「高校生コスメ」などが話題を集める相可高校のある多気町で1月17日、漫画に登場するキャラクターの衣装を着たコスプレーヤーやアニメの主人公などを大きく車のボディーにラッピングした痛車(いたしゃ)などが集結するイベント「おたコス2(おいないTAKIコスプレ祭り)」が開催された。
海外から日本の漫画やアニメ、フィギュアなどの「サブカルチャー(おたく文化)」が注目され、コスプレイベントなども世界中で開催されている。多気町はサブカルチャーを観光資源と捉え、「多気町をサブカルチャーの聖地に」しようともくろみ「聖地創造」を掲げ、今年開催されるミラノ国際博覧会(ミラノ万博)でも大きくアピールしようと計画する。
きっかけは、同町に本社を構える製薬会社「万協製薬」の第3工場内に設置した「万協フィギュア博物館」(仁田、TEL 0598-30-5266)。鉄腕アトムや宇宙戦艦ヤマト、ガンダムにゴジラ、ガメラなど2万体以上を展示し、総額1億円以上をかけた。昨年の5月1日にオープンし延べ4000人が来館。館内には撮影スタジオも設けた。
昨年11月8日に初めて行い、今回が2回目となる同イベント。同実行委員会は、コスプレ衣装のままで町内を歩いてもとがめられないようにショッピングモールや飲食店オーナーと交渉し、行政が運営する施設を借り、普段なかなか撮影できない体育館、グラウンド、テニスコート、フットサルコートなどがある「多気町トレーニングセンター」や竹林のある「クリスタルの森」(血のり可)、「法泉寺」「丹生大師」「旧丹生小学校校舎」などのロケーションを提供した。
参加者は同館の更衣室で衣装に着替えると、思い思いの場所に赴き撮影を楽しんだ。この日は、3月13日に遷座祭を予定する「佐那神社」(同)の主祭神で日本神話「岩戸伝説」に登場し岩戸を開けたアメノタジカラオと、岩戸の前で踊ったアメノウズメをキャラクターにした「タジオ」と「ウズメ」もイベントを盛り上げた。久保行央多気町長は少し恥じらいながらも「ゲゲゲの鬼太郎」のちゃんちゃんこを着て、カメラの前でポーズを取っていた。
同館館長で同社社長の松浦信男さんは「多気町をサブカルチャーの聖地にして、インバウンド観光をも見据えた観光地にしていきたい」と思いを込める。