伊勢神宮外宮(げくう)別宮の「風宮」の石垣にハート型の石が見つかり、密かに話題を集めている。現在同宮では20年に一度、社殿や神宝などを新しくする式年遷宮行事が行われている真っ最中。3月15日には神様の引っ越しにあたる「遷御(せんぎょ)の儀」が執り行われる。
【その他の画像】伊勢神宮外宮別宮「風宮」の石垣にあるハート型の石
風の神様として知られる同宮の祭神は、イザナギとイザナミの間に生まれた級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)。内宮(ないくう)にも同じ神様を祭る別宮「風日祈宮(かざひのみのみや)」がある。毎年5月14日と8月4日に適当な風が吹き、適当な雨が降るよう、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する「風日祈祭(かざひのみさい)」が執り行われている。
鎌倉時代1230(寛喜2)年から18年間伊勢神宮祭主を務めた大中臣隆通(おおなかとみのたかみち)の子「通海(つうかい)」が1287(弘安10)年前後に書いた「太神宮参詣記(別名=通海参詣記)」によると、「蒙古襲来・元寇」(1274年文永の役、1281年弘安の役)の時に2度の神風を吹かせ国難を救ったとされ、その功績から1293(正応6)年に、末社格だった両宮が別宮に昇格する。
ハート型の石は、外宮正殿を参拝しパワースポットと誤認識されている「三ツ石」の前を通り、左に分岐する「多賀宮(たかのみや)」へ向かう参道を通り、カメの形の通称「亀石」の橋を渡って、左に立つ同宮の石垣の中にある。近年、ツイッターなどでハートの石を見つけた参拝者らによって写真が撮られて、その画像と共に密かにつぶやかれている。
同宮では、同13日に「御戸祭(みとさい)」「御船代奉納式(みふなしろほうのうしき)」「洗清(あらいきよめ)」が、同14日に「杵築祭(こつきさい)」「後鎮祭(ごちんさい)」「川原大祓(かわらおおはらい)」が行われた。同15日に「御飾(おかざり)」「遷御」、同16日に「大御饌(おおみけ)」「奉幣(ほうへい)」の一連の遷宮行事が執り行われる。
一昨年の10月2日に内宮正宮、10月5日に外宮正宮で式年遷宮が執り行われ、その後13の別宮での遷宮行事が行われた。同宮の遷宮が執り行われると14全ての別宮が新しくなる。