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中国人写真家、日韓の海女文化衰退に警笛鳴らす 書籍化で現状訴え、写真展も

中国人写真家、日韓の海女文化衰退に警笛鳴らす 書籍化で現状訴え、写真展も

中国人写真家、日韓の海女文化衰退に警笛鳴らす 書籍化で現状訴え、写真展も

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 鳥羽市在住の中国人写真家・李相海(リ・シャンハイ)さんが4月、日本の海女文化を伝える書籍「現代の海女」を出版した。現在、鳥羽ショッピングプラザ・ハロー(鳥羽市大明西町)で写真展「海女礼賛」を開催する。

【その他の画像】鳥羽市在住の中国人写真家・李相海が写真展「海女礼賛」

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 中国遼寧省出身の李さんは、鳥羽シーサイドホテル(安楽島町)で国際担当とし働く傍ら、休日には日本の祭りや風景を撮る写真家。日本人の心を中国を含め世界に発信しようと2008年から公開するホームページ「日本紀行」(旧「中部華僑華人」)の累計アクセス数は6500万以上。2012年5月には同会場で写真展「伊勢志摩の自然と祭礼」を開催した。

 李さんは2010年6月11日、映画「潮騒」の舞台にもなった鳥羽の離島・神島に伝わる祭り「ごくあげ」で初めて海女を撮影。それ以来、海女に魅了され伊勢志摩の海女だけでなく、和歌山や南房総の海女、NHK朝ドラ「あまちゃん」の舞台となった岩手県久慈市の「北限の海女」、韓国・済州島の海女(ヘニョ)を精力的に撮影。

 李さんは「海の博物館(浦村町)の調査によると、鳥羽志摩の海女の数は1972(昭和47)年に4124人だったのに対して2014年には761人にまで減少。平均年齢も65.3歳と高齢化。たった数十年間で『絶滅』の危機を迎えている。野生動物の種が絶滅するとメディアは大きく取り上げるが、人間のなりわいの一つの海女も(目に見えているが)同じ状況だと思う。これは、海の環境が急激に変化していることでもあるので、伊勢志摩だけのことではないと思う。なんとかこの現状を伝えなくてはと思い、出版を決意。ユネスコ世界遺産(無形文化遺産)に早く登録されて、この厳しい現状を打破するきっかけにしてもらいたい」と熱く語る。

 写真展には、同書の中でも紹介する海女のほか、韓国・済州島で偶然出会った海女たちの姿など計30点を展示する。開催時間は9時~18時。今月26日まで。

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