夏至の日に伊勢志摩最高峰・朝熊岳から富士山と太陽重なる 直線距離200キロ

夏至の日に伊勢志摩最高峰・朝熊岳から富士山と太陽重なる。よく見ると宝永山のシルエットも確認できる(撮影2015年6月22日4時46分=北井誠也)

夏至の日に伊勢志摩最高峰・朝熊岳から富士山と太陽重なる。よく見ると宝永山のシルエットも確認できる(撮影2015年6月22日4時46分=北井誠也)

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 伊勢志摩最高峰・標高555メートルの朝熊岳(あさまだけ)頂上展望台(伊勢市朝熊町)から夏至の6月22日の早朝、日本最高峰・富士山と太陽が重なった。

【その他の画像】夏至の日に伊勢志摩最高峰の朝熊岳からの日の出

 朝熊岳から富士山までは直線距離で約200キロ。吉永小百合さんや山口百恵さんらが映画にも出演した三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台となった鳥羽市の神島は、富士山の右下の伊勢湾湾口に浮かぶ。

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 朝熊岳から富士山と朝日が重なるのは、太陽が最も北寄りに移動する夏至の日が最大で、富士山の右肩・宝永山の辺りから朝日が現れる(富士山の真上からは出ない)。山頂での夏至の日の出時刻は4時38分ごろ。

 この日、展望台からはゆっくりと富士山の右肩が赤くなり、やがて富士山とわかるシルエットを作り、時間とともに富士山が消えそれと同時に太陽の輪郭が丸く大きくなり、明るい光をさらに輝かせた。この日は、二見興玉神社(伊勢市二見町)の夫婦(めおと)岩からも富士山と朝日を観測。同神社からは反対に、富士山の左肩から朝日が出て頂上付近で富士山の輪郭が消えた。

 山頂付近まで自動車で上ることができる観光有料道路の「伊勢志摩スカイライン」を運営する三重県観光開発(津市)は、2012年6月21日の夏至の1日限定で試験的に開門したのが最初。その際は、朝日は見ることができなかったが、真っ赤に染まった空の筋の中に富士山が3分間だけ奇跡的に顔を出した。2013年は6月21日~23日の3日間限定で開門。この年は夏至の22日には観測できなかったが、22日に世界文化遺産登録された富士山を祝うかのように翌朝の23日には真っ赤に焼けた空に、太陽柱、雲に映った富士山の影、富士山の右肩からの太陽など最高の演出があった。2014年(20日~22日の3日間限定)は、富士山との共演はなかった。これまでは通常は6時開門のため富士山と朝日を撮影しようと思うと、車ではなく「登山」しか方法はなかった。

 「伊勢神宮の奥の院」または「伊勢神宮の鬼門(北東=丑寅)を守る寺」として昔から伝えられる金剛證寺(こんごうしょうじ)が標高500メートルの地に立つ。欽明天皇のころ(540年~)に暁台上人によって開山。平安時代825年に弘法大師空海が真言密教修行の大道場を開き発展させたが、その後衰退。1392年に建長寺(神奈川県鎌倉市)の仏地(東岳文昱)禅師が再興し、真言宗から臨済宗に改宗し現在に至っている。

 伊勢音頭の一節に「お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り(伊勢神宮だけを参拝して安心していては駄目ですよ。朝熊の金剛證寺も参拝しなければ片参りになりますよ)」と詠(うた)われ、江戸時代から伊勢神宮と同寺の参詣はセットで行われていた。本尊は、日本三大虚空蔵菩薩(ぼさつ)の第1位に位置付けられる「福威智満虚空蔵大菩薩(ふくいちまんこくうぞうだいぼさつ)」。6月27~29日は、同山を再興した仏地禅師の命日(6月29日)を祭る開山忌が開催される。

 通行料金は、自動二輪車=880円、軽・小型・普通自動車=1,250円。5月~8月の通常の開門時間は6時~20時。