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志摩市の小学生が焼けた「薬師堂」を改修 真珠貝の殻でしっくい壁装飾

志摩市の小学生が焼けた「薬師堂」を改修 真珠貝の殻でしっくい壁装飾

志摩市の小学生が焼けた「薬師堂」を改修 真珠貝の殻でしっくい壁装飾

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 5年前に焼失した志摩市阿児町立神の「薬師堂」を再建するために現在、地域の人や地元立神小学校に通う児童らが年内の完成を目指して協働で取り組んでいる。

【その他の画像】「薬師堂」改修に地元小学生らが協力、真珠貝の殻で漆喰の壁を装飾

 薬師堂には「薬師如来坐像」が安置され古くから多くの人の崇拝の対象となっていた。1618(元和4)年に薬師堂を修理した記録が残ることからそれ以前から同地にあったとされるが詳細は定かではない。1976(昭和51)年に大修理を行ったが、2010年8月に出火し取り壊しになっていた。薬師如来坐像は辛うじて難を逃れた。

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 「薬師如来坐像を安置する場所を」と同地区の住民らの思いが募り昨秋、地元有志が保存堂建設委員会を立ち上げ、住民から寄付を集め建設費用を調達し今年3月から跡地の一角で着工した。

 同小学校から目と鼻の先にある立地の建築現場には、何度も児童が足を運び実際の作業に関わった。

5月には土壁の骨組みとなる仕立てかき(竹小舞)づくりや荒壁塗り、9月には拝殿となる場所の三和土(たたき)土間づくり、10月には地元英虞湾の同地区で取れたアコヤ貝の真珠層が美しい貝殻を割ってしっくいの壁に貼る作業などをそれぞれ手伝った。

 薬師堂再建に関わる東原達也さんは「柱にはヒノキやスギ、三和土土間には地元産のカキを焼いて作った消石灰、土壁の土など…。可能な限り地元産の材料を使った。瓦は三河産だが伊勢志摩特有の『安田袖瓦(あんだそでがわら)』を使った」と説明する。

 同校校長の八重嶌敏一さんは「地域の伝統文化を子どもたちに伝えるいい機会を作っていただいた。2018年に学校が統合され今の学校が廃校となる。今のうちに小規模学校ならではの小回りの利く授業を体験させ、少しでも地域への思いを根付かせたい」と話す。

 東原さんは「地元の子どもたちが自分たちで作ったお堂を大人になっても親しみを持って手を合わせてくれるようになれば。昔は『立神大工』という言葉があったほどこの地区には大工が大勢いた。願わくは、将来修繕が必要になった場合にこの子たちの誰かが直してくれるようになれば」と願いを込める。

 薬師堂の大きさは奥行き約2.7メートル、横約2.4メートル、高さ約3メートル。今年中の完成を目指す。

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