日本語のウェブサイトの質を向上させることを目的に活動するNPO法人「日本ウェブ協会(Web development and Web marketing Consortium、略称W2C)」(東京都港区)が8月25日・26日、「伊勢志摩サマーキャンプ」と題してウェブ制作についてのセミナー合宿を開催した。会場と宿泊先は構造改革特区で設立されたインターネット高校「代々木高校」(志摩市阿児町神明)。志摩市と志摩市教育委員会が後援、三重県大阪事務所も協力している。
同協会は今年2月20日に設立され4月1日から活動を開始。日本語のウェブサイトの所有者・制作者・利用者などのさまざまな業種の法人や個人が集う場を設け議論を行い、セミナーなどを通じて研究・教育・普及に努め、学術的な情報の蓄積を行いながら教育機関などへ公開、日本語のウェブサイトの質の向上に寄与し、多くの利用者の利便性を高めることを目的として活動している。会員数は72(法人会員50、個人会員22)。
合宿参加者は18人。第1部では「ウェブ制作会社における分業化とサイト構築ワークフロー」について同協会理事長の森川眞行さんが、第2部では「地域におけるウェブ制作の問題点」について同市出身で大阪大学先端科学イノベーションセンター特任教授も勤める岩城達夫さんがセミナーの講師を務めた。その後、伊勢志摩の新鮮な魚介類をバーベキューに懇親会が開かれ、夜遅くまでウェブ制作についてのディスカッションが行われた。
岩城さんは「この協会はウェブ業界の中ではアメリカを含め唯一『マイクロソフト』『アドビシステム』『アップル』が参加する団体。もともと任意団体『アックゼロヨン』で障害者をはじめ、人々に役立つ日本語によるウェブアクセシビリティーを考える会としてスタートした。アワードを策定するなどの活動から、総務省、経済産業省、国土交通省、厚生労働省、環境省、外務省、文部科学省の後援を得たことがきっかけ。今回の伊勢志摩サマーキャンプ実現は私の出身地でもある伊勢志摩の人にも勉強してもらえる機会づくりと、純粋にメンバーを伊勢志摩に連れてきたいと思ったから」と話している。
森川理事長は「同協会は日本語のウェブの質を向上させよう、をスロー ガンに活動している団体で、まだ2月に設立されたばかり。会員の親睦も含め今回の合宿はたいへん有意義だった」という。