「2016 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ最終戦」「第48回MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿」が11月5日・6日の2日間、鈴鹿サーキット国際レーシングコース(1周5.821キロ)で開催された。
伊勢市出身・国際ライダーの稲垣誠さんを中心にプライベーターとして毎年バイクレースに参戦する「アケノスピードレーシングチーム」(伊勢市小俣町)。これまでは稲垣さんと長崎県出身・奥野翼選手の2台のマシンをレースに送り込んできたが、今シーズンから稲垣さんは一歩退き、若手選手の育成に軸足を移し監督という立場でチームをけん引した(JP250クラスに奈良県出身16歳の南本宗一郎選手と沖縄県出身23歳の仲村優佑選手、ST600クラスに28歳・奥野選手と、和歌山県出身28歳の津田一麿選手の4人4台のマシンで参戦)。
稲垣さんは、昨年の鈴鹿8時間耐久ロードレース(8耐)にSST(ほぼ改造無しマシン)クラスで惜しくも準優勝(総合22位)だった悔しさをバネに今年、クラス優勝を目指して8耐に照準を合わせ、今シーズンのレースにはスポット参戦する形でチームをまとめた。
今年の8耐には、奥野選手と昨年までMOTOGPライダーだったオーストラリア出身のアンソニー・ウエスト選手の3人で出場。結果、転倒などのアクシデントに見舞われ8時間1分45秒133で169周を完走したものの、SSTクラス11チーム中10位(総合53位)だった。しかしながら昨年稲垣さんが出したSSTクラスのコースレコード(2分13秒379)を今年は、チームメイトのウエスト選手が2分11秒994 をマークし、8耐のコースレコードをさらに1秒以上更新。マシンセッティングなどチームメカニックの技術力向上が垣間見えた結果になった。
今シーズンの最終レースとなる鈴鹿では、JP250クラス(8周が赤旗提示で6周に)に南本選手が準優勝15分30秒265、仲村選手が5位15分32秒485(マシンは共にYAMAHA YZF-R25)で入賞を果たした。ST600クラス(12周)に出場した奥野選手は5周目の西シケイン立ち上がりでハイサイドで転倒しリタイア、津田選手は27分31秒270で15位に終わった(マシンは共にYAMAHA YZF-R6)。J-GP2クラス(15周)にスポット参戦した稲垣選手は33分35秒040で17位(マシンはYAMAHA YZF-AS6)。
稲垣さんは「今シーズン新体制で臨んで、チームとしては大変ではあったが、チャレンジした甲斐があった。来シーズンは(まだどうなるかわからないが)南本と仲村を上のクラスにランクアップさせて臨みたい。引き続き応援よろしくお願いします」と呼び掛ける。
各クラスの優勝は以下の通り。JSB1000レース1(8周)=中須賀克行選手(YAMAHA YZF-R1、YAMAHA FACTORY RACING TEAM)16分54秒933、同レース2(20周)=中須賀選手(同)42分31秒250、ST600(12周)=榎戸育寛選手(Honda CBR600RR、MOTO BUM HONDA)26分53秒962、J-GP2(15周)=関口太郎選手(HARC-Pro HP6、MISTRESA with HARC-PRO.)32分52秒012、J-GP3(12周)=栗原佳祐選手(Honda NSF250R、MuSASHi RT ハルク・プロ)28分03秒232、JP250(6周)=田中歩選手(KAWASAKI Ninja250、TRICK STAR Racing)15分30秒210。2日間の天気は快晴、ドライ、入場者数初日=約1万500人、最終日=約1万5000人。