伊勢志摩最高標高555メートルの朝熊岳(あさまだけ)頂上付近で現在、御木本幸吉が植えたボタンザクラ3本が満開の見頃を迎えている。
御木本幸吉は1858(安政5)年1月25日鳥羽生まれ、1893(明治26)年に半円真珠の養殖に成功し、1905(明治38)年に真円真珠の養殖に成功。同年11月、伊勢神宮に行幸中の明治天皇に「世界中の女性の首を真珠でしめてごらんにいれます」と宣言し、その後の業績から「真珠王」と呼ばれた。1954(昭和29)年9月21日に96歳で永眠した。
金剛證寺(こんごうしょうじ)(伊勢市朝熊町)奥の院境内にある茶店「富士見亭竹屋」店主の竹内民子さんは現在84歳。同店を50年以上切り盛りしている。
竹内さんは「御木本幸吉さんはボタンザクラを奥の院入口までの道中にたくさん植えた。当初はとてもきれいだったが、アスファルト工事などの影響でほとんどのサクラが枯れてしまい、今では1本と、展望台への道路沿いの2本を残すのみ。朝熊岳を訪れる人は御木本幸吉さんのサクラをぜひ見てほしい」と話す。
朝熊岳までの通行料金は、自動二輪車=880円、軽・小型・普通自動車=1,250円。5月~8月の開門時間は6時~20時。