三重県動物愛護推進センター「あすまいる」(津市森町、TEL 059-253-1238)を6月13日、代々木高校賢島本校(志摩市阿児町)の生徒が視察に訪れた。
5月28日にオープンしたばかりの同施設は、イヌやネコの譲渡を進め2023年までに殺処分ゼロを目指して三重県が設置した。災害時動物の命をできるだけ守るための動物救護体制の整備や危機管理対応の取り組みの強化や、関係団体やボランティアとの連携した取り組みなどを進めていく。ネーミングの「あすまいる」はアニマルとスマイルからの造語で動物や人全てに笑顔が広がるようにと付けた。
この日は、志摩市の賢島に本校を持つ代々木高校(志摩市阿児町)の生徒が視察し、南勢地域の人たちにも広く知ってもらおうと同センターの獣医師の千田明郎さんに話を聞いた。
千田さんは「殺処分ゼロを目指して取り組んでいるが現状では処分しなければならない…。できればそうしたくないが仕方ない。日々葛藤している。いいアイデアがあれば教えてほしい」と投げ掛けた。
3年の三橋あすかさんは「ネコは生まれて6カ月で子どもを産める体になってしまうからネコの耳をサクラの花びらのようにV字カットするTNR(Trap捕獲、Neuter不妊去勢手術、Return元の場所に戻す)活動の推進も大切なことだと分かった。たくさん殺処分されている事実を知って悲しくなった」と話す。
2年の福永耕平さんは「施設見学のほかにイヌの散歩も体験した。イヌに引っ張られて大変だったが、しつければ引っ張らなくなることを教えてもらい、しつけの大切さを学んだ」と漏らす。
2016年度に三重県内の保健所に収容され殺処分されたイヌの数は81頭、ネコの数は663匹。全国の推移も2011年度ではイヌ=4万3606頭、ネコ=13万1136匹、2014年度ではイヌ=2万1593頭、ネコ=7万9745匹と右肩下がりで下がっている。
千田さんは「オープンして間もないが日曜で100人以上の人が訪れる。すでに入館者数1000人を超えた。多くの人に知っていただければ」と呼び掛ける。