ヤマトタケルが剣で草を刈って、刈った草に火打ち石で火を着けて難を逃れた日本神話を手掛かりにその火打ち石を探しに出掛けるバスツアーが12月23日、伊勢で開催される。主催する旅行会社「旅行屋」(伊勢市小俣町、TEL 0596-28-5456)が現在、参加を呼び掛けている。
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ヤマトタケルが相模国(現在の静岡県焼津あたり)で敵の火攻めに合った際に命を救ったアイテムは、スサノオが出雲国でヤマタノオロチを退治した際に尻尾から出てきたとされる「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」(後の「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」)と袋に入った「火打ち石」。ヤマトタケルの父でもある第12代景行天皇から東征に向かうように言われ、伊勢にいた叔母のヤマトヒメを訪ねた際に、ヤマトヒメから直接手渡されたもの。ヤマトヒメは第11代垂仁天皇の皇女で伊勢神宮の創建に関わった。
同ツアーは、三種の神器の草薙剣と同等に重要な役割を果たしたにもかかわらず、これまで注目されてこなかった火打ち石にスポットを当てたもの。今年5月、伊勢志摩経済新聞創刊10周年記念企画として開催したものをさらにブラッシュアップしたもの。
ツアー当日は、「宮リバー度会パーク・バザールわたらい」前に集合し、伊勢神宮摂社「久具都比賣神社(くぐつひめじんじゃ)」、縄文遺跡の「森添遺跡」「ふるさと歴史館」(以上、度会郡度会町)、「仙宮神社(せんぐうじんじゃ)」「鵜倉園地(ハートの入江)」(以上、度会郡南伊勢町)などを巡りながら火打ち石を探す。
同社の御村一真さんは「伊勢にいたヤマトヒメが火打ち石をヤマトタケルに渡すということは、火打ち石が伊勢のどこかで産出されたものである可能性が高く、度会町に『火打石』という地名があることなどから、国史、民俗学、地質学など総合的にわかりやすく説明していきたい」と話す。
募集定員は20人。参加費は5,000円(昼食付き)。参加申し込み締め切りは今月16日まで。