台風12号が7月29日深夜1時ごろ、伊勢市に上陸し猛威をふるった。台風が日本列島に上陸するのは今年初めて。
一般的に南西、南から襲来する台風が東から西に日本列島を縦断する「逆走台風」の12号。その上陸地が通常のコースではあり得ない伊勢市であることが、観測史上初となる逆走台風の特徴だ。
伊勢市がある位置は、南に南伊勢町、志摩市、鳥羽市が立地するためそのおかげで台風がブロックされ通常のコースでは上陸地になることはない。伊勢市が上陸地になるには唯一、伊勢湾の入り口の狭い東の方角からとなる。
ほぼ上陸地と思われる二見興玉神社(伊勢市二見町)の夫婦岩(めおといわ)の5本ある大しめ縄は、強風と荒波にも耐えた。
気象庁によると、伊勢市小俣町では7月の観測史上最大の風力31.9メートル(北北西の風)を記録。中部電力によると7時時点で伊勢市、志摩市、多気郡多気町・明和町、鳥羽市、津市、松阪市、鈴鹿市、伊賀市の約6万9500戸で停電している。