志摩市・賢島に本校を持つ通信制高校の代々木高校(志摩市阿児町)のアスリートゴルフコースに通う男子3年・中島啓太さんと、日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれフィリピン国籍ながら同校に通う女子2年・笹生(さそう)優花さんの2人が、「第18回アジア競技大会」ゴルフ競技でダブル優勝を果たした。
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インドネシアジャカルタで開催中のアジア大会・ゴルフ競技は8月23日~26日に行われ、中島さんは初日からトップを走り通算11アンダー71でラウンドし優勝。日本の団体優勝にも貢献した。笹生さんは初日1アンダーで7位タイからのスタートだったが、その後快調にスコアを刻んで2日目を3アンダー、計4アンダー5位タイ、3日目も3アンダーで計7アンダー3位タイに付けた。最終日の26日に爆発し6アンダー66でラウンドしトータル13アンダーで優勝した。3日目まで11アンダーで単独1位を走っていた中国のリウ・ウェンボさん(トータル11アンダー)を一気に引き離して逆転、笹生さんの活躍も中島さん同様に、フィリピンの団体優勝に貢献した。
中島さんは埼玉県出身の18歳。16歳で「フジサンケイクラシック」出場や今年1月の「オーストラリアンアマチュア選手権」で優勝するなど活躍する。笹生さんは2017年「フィリピンジュニア女子アマチュア」「フィリピンアマチュア女子オープン」、今年「フィリピンレディースオープン」でそれぞれ優勝するなど頭角を現している。
同校のアスリートゴルフコースは、ジュニアゴルファーの理想の育成環境を目指して2010年4月に創設。石川遼プロ(CASIO)を育てた吉岡徹治さんが監督を務め、毎年夏に全米女子ゴルフトーナメント「ミズノクラシック」などが開催された「賢島カンツリークラブ」(同)の協力を得て強化合宿を行っている。「全国高校ゴルフ選手権」に、個人の部では2011年度から8年連続、団体の部では2012年度から7年連続、女子は2017年度から2年連続出場する。現在の部員数21人(男子13人、女子8人)。
同校教頭でゴルフ部顧問の山中辰男さんは「同じ代々木高校に通う高校生が、日本代表とフィリピン代表で男女アベックで金メダルを獲得し、団体戦でも国に金メダルをもたらし貢献するという珍しい形が実現できたのも、『通信制高校&アスリート』の新しい取り組みが最高の結果として表現されたことだと思う。これをきっかけに、アスリートたちが通信制高校の特色を生かして自由な時間を質の高い練習に活用する選択肢の一つになれば」と話す。