志摩市のNPO「立神四季物語実行委員会」(志摩市阿児町立神、TEL 0599-45-2627)は11月17日、英虞湾の夕景がきれいに見える西山慕情が丘で「立神秋物語」夕日コンサートを開催した。
同実行委員会は、ミレニアムを前に1900年代最後の英虞湾の夕日を見ようと有志が集まり実行したのがきっかけで結成され、翌年から、「立神四季物語」として四季を通じたイベントを開催している。立神地区の良さを見直し盛り上げようと、春には「立神春物語」として西山慕情が丘までの沿道に桜の苗木の植樹・管理、それに合わせたウオーキングイベント、夏には「立神夏物語」として同地区にある立石浦(英虞湾)での手こぎボートレースイベント、冬には「立神冬物語」として昔からある地元の祭り「立石祭り」を盛り上げ参加するなど活発な活動を展開している。会員数は約10人。
今回で7回目となる同イベントは、ボジョレ・ヌーボーワインの解禁時期に合わせての「大人向けイベント」として位置づけ開催。今回のテーマは「しあわせの実感」「慕情が丘でボジョレ」。
イベントが開催されると参加者はボジョレのコルクを次々と開け、今年の新作ワインの品定めをした。地元ホテルで焼き上げたパンやチーズなどオードブル、英虞湾で採れたバタ貝(緋扇貝)、近くの山で採れたマツタケ、おでんなど贅沢な食べ物も用意され、自由に飲んで、食べながら、ほろ酔い気分で日が傾くのを待っていた。英虞海神太鼓和太鼓組による太鼓の演奏や剱山啓助さんらによる二胡の演奏、シャンソン歌手の高橋薫さんによるコンサートがさらに会場の雰囲気を演出した。一度雲に包まれ見えなくなった太陽が16時30分ごろ再び現れオレンジ色の輪郭をくっきりと作り出すと、会場に居合わせた参加者は「しあわせの実感」をかみしめていた。用意した80本のボジョレはすべて胃の中に。
同実行委員会の杉本三八一実行委員長は「これまで雨天による中止や延期はなく、イベントに参加してくれる人たちは『西山慕情が丘』からのさまざまな夕日に感動してくれている。この地からの夕日を見ようと思った1999年当時は草が生え荒れ放題だったが今ではすばらしく、誰もが自慢したいスポットになっている。このイベントに参加する人が、この地を愛する人として年々増えてくれれば」と話している。