志摩市内に多く植えられているサクラの品種「陽光」に込められた思いを描いた映画「陽光桜 YOKO THE CHERRY BLOSSOM」の上映会が3月24日、阿児アリーナ(志摩市阿児町)で開催される。
昨年8月に「横山天空カフェテラス」がオープンし人気の「横山展望台」までの道路と公園「創造の森横山」、河川「前川」沿い(以上志摩市阿児町)に合わせて1200本以上の「陽光」が植えられている。
愛媛県東温市出身の高岡正明さん(1909~2001年)は、教員だった戦時中、教え子たちに「この校庭のサクラの木の下でまた会おう」と戦争に送り出したが、終戦を迎えその約束が果たせなかった。「自分が教え子たちを戦地に送り込んでしまった」という自責の念に苦しみ続け、不戦の思いと鎮魂、平和を願い、「どんな環境下でも咲くサクラを」と研究し約30年の月日を掛けて開発した品種が陽光だった。気温マイナス40度の極寒のロシア・シベリア、40度の熱帯のインドネシアでも咲くという。
映画は、高岡さんの陽光桜開発に掛ける情熱を物語にした実話に基づく作品。公開は2015年11月21日。高岡さん役を笹野高史さん、高岡さんの息子・正堂役を的場浩司さん、正堂の妻恵子役を宮本真希さんほか、津川雅彦さんや野村宏伸さんら俳優が名を連ねる。原作・脚本・監督は高橋玄さん。
上映会を主催する向井正明さんは「生前、高岡さんは陽光を『平和の桜』として世界の国々(27カ国)に無償で送り続けてきた。その遺志を息子の照海さんが継いでいる。そのことを玉城町の染色作家の高野葉(よう)さんから聞き、自分の教育に対して最後まで責任を取ろうとしたところに感動し、少しでも陽光桜を知ってほしいと思い、陽光がたくさん植えられている志摩市でサクラが満開の時期に映画の上映会をしたいと思った」と話す。
向井さんは「当日、創造の森横山の陽光桜がきれいに咲いていると思うので、ぜひ見に行ってから映画を鑑賞してほしい。会場は70人入場可能なのでできるだけ多くの人に見てほしい。当日直接来ていただいても対応可能」と呼びかける。
上映会は17時30分~19時30分。参加費500円。申し込みは向井さん(TEL 090-7038-6631)まで。