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三重県内の公共工事で出土したお宝展示「しっかりとした発掘調査の成果」 斎宮歴史博物館

三重県内の公共工事で出土したお宝展示「しっかりとした発掘調査の成果」 斎宮歴史博物館

三重県内の公共工事で出土したお宝展示「しっかりとした発掘調査の成果」 斎宮歴史博物館

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 三重県内で実施された公共工事から出土した「お宝」を展示する「ありがとう『平成』~平成の発掘セレクト30~」第38回埋蔵文化財展が現在、「斎宮歴史博物館」(多気郡明和町、TEL 0596-52-3800)で開催されている。

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 三重県埋蔵文化財センター(同)設立30周年記念として同センターが主催する同展には、特に貴重な選りすぐりの30遺跡の出土品や関連資料約450点を紹介する。入場無料、9月23日まで。

 同センターは、県内の高速道路、国道、県道など道路整備、そのほかの公共工事の際に古墳や遺跡などが無いかを調査し、見つかれば発掘し記録などを行う機関で、設立後30年間の調査遺跡数は、約760件、総面積約146万平方メートルに及ぶ。

 同センター活用支援課課長の田中久生さんは「1996(平成8)年に松阪市飯南町の国道368号線バイパス工事の発掘調査で女性の上半身をかたどった土偶が見つかった。その近くにあった黒いススを炭素14法で年代測定した結果、1万2000年~9000年前の縄文時代草創期のものであると断定、日本史が書き換えられた。バイパス工事の計画を一部変更して粥見井尻(かゆみいじり)遺跡として残した。日本最古の庭園と言われる伊賀市の城之越(じょうのこし)遺跡は、1991(平成3)年の農道整備工事中に発見された。1993(平成5)年に国指定名勝となった。農道は遺跡を残して大きな緩いカーブをつける道路に計画変更された」と話す。

 そのほか、鈴鹿市の三重県消防学校施設・設備整備事業から出土した、土を焼いた粉々のかけらは、つなぎ合わせたところ、長さ108センチ、高さ81センチ、県内最大の馬形埴輪が完成した。石薬師東(いしやくしひがし)古墳群の出土品なども展示する。

 田中さんは「公共工事の際にしっかりと調査した結果、展覧会を開くことができた。この展覧会を機に埋蔵文化財保護に一層のご理解をいただくとともに郷土の歴史、地域の魅力を再発見していただければ。多数のご来場をお待ちしています」と呼び掛ける。

 国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)名誉教授の広瀬和雄さんによる記念講演「ヤマト王権からみた三重の古墳」を8月31日(13時30分~15時) に、同センター中川明さんと穂積裕昌さんによる「最古の土偶」「最古の庭」についての公開考古学講座「第3回三重を掘る」が9月14日(13時30分~15時)に、それぞれ同館講堂で行われる。

 開館時間は9時30分~17時。休館日は、月曜日(祝日・休日である場合を除く)、祝日・休日の翌日、12月29日~1月3日。常設展の入館料は、一般=340円、大学生=220円、小・中学生・高校生=無料。

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