公益財団法人修養団(しゅうようだん)伊勢青少年研修センター(伊勢市宇治今在家町、TEL 0596-25-0265)で12月16日・17日、「神話を体感する会」が行われた。
修養団は1906(明治39)年、東京師範学校(現在の東京学芸大学)に在学中の蓮沼門三を中心とする学生らによって社会教育活動を実践する団体として創立され、渋沢栄一や松下幸之助らの支援を受けて116年続く文部科学省所管の公益財団法人。本部は東京都渋谷区にある。
6月の月次祭に合わせて「伊勢の風を感じる会」、10月の神嘗祭に合わせて「神嘗祭特別講習会」、12月の月次祭に合わせて「神話を体感する会」を行っている。「神話を体感する会」は、五穀豊穣(ほうじょう)、国家繁栄、国民の幸福、世界平和を祈る伊勢神宮の最も重要な祭典の一つ「月次祭」に合わせて、伊勢神宮や日本神話について学び、神話の世界を体感しようと2007(平成19)年から行っている。
「神話を体感する会」では、全国から伊勢に集結した約170人が、礼法・作法や大人の自分、とらわれている自分を捨て幼心に立ち返る童心行、伊勢神宮を流れる五十鈴川で身を清める水行、心を静め自分自身と向き合う静座行などを行い、「生活即修養」「愛と汗」「思いやりの心」「感謝する心」について学ぶ修養団の研修プログラムを実践した。そのほか、イシキカイカク(大阪府吹田市)社長で主催者の神谷宗幣さんや一般社団法人ウーマンライフサポート協会(東京都豊島区)の浅井ちはるさん、慈空庵(群馬県高崎市)を主宰する長典男さん、修養団講師の寺岡賢(まさる)さんらによる講和に耳を傾けた。
参加者は、「日本人として生まれたことを誇りに思い、国を思い、子どもたちのためにできることをやっていかなければと思った」「伊勢から風を起こさなければ」などと話し、真冬の五十鈴川で行う水行を体験した参加者は「初めての経験だったので、不安だったが、実際に体験すると、水の冷たさを全身で感じ自然の中の自分を客観視できた」と感想を言葉にした。
寺岡さんは「人は何をしたかではなく、どういう思いを重ねたか。人の目には見えなくとも人の幸せを願い、丁寧に思いを重ねて生きることが大切。自らに与えられた使命・役割を丁寧に果たしていこう」と呼びかけた。