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南伊勢町にモリアオガエルの卵塊 側溝継ぎ目の草の葉にも

南伊勢町の道路側溝の水たまりの上の木の枝にモリアオガエルの卵塊

南伊勢町の道路側溝の水たまりの上の木の枝にモリアオガエルの卵塊

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 南伊勢町の木の枝に6月14日、モリアオガエルの卵塊(らんかい)が見つかった。

【その他の画像】南伊勢町の生活道路すぐの木の枝にモリアオガエルの卵塊

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 両生綱・無尾目・アオガエル科・アオガエル属のモリアオガエル。成体は山の中を移動し陸上で生活する。産卵期になると山から下りてきて、池や沼、ため池などの静水域を見つけ木の枝などに産卵する。水面上に垂れ下がる木の枝や葉に雌が登ると、複数の雄が群がり、産卵と受精が行われ、その時に出る粘液を足でかき混ぜ、乳白色の直径10~20センチほどの泡状の卵塊ができる。卵塊の中には300~500の卵があり、卵は1~2週間でふ化。泡の中でオタマジャクシに生育する。泡の中のオタマジャクシは、雨が降るのを待ち、雨で泡が溶け水面に落下し、そのままカエルになるまで水中で生活する。

 卵塊が見つかった場所は、南伊勢町の生活道路近くにある森の木の枝。近くには川も流れている。卵はこのほか、コンクリートの側溝の継ぎ目から自生した草の葉にも確認できた。そちらはほぼ道路面の高さと同じ低い位置に作られていた。

 三重県総合博物館学芸員の田村香里さんは「南伊勢町の産卵地は2010(平成22)年に初めて報告がある。2013(平成25)年にも調査が行われ、その際には周辺の3カ所で60個ほどの卵塊が確認された。側溝は溝掃除が行われてしまうと産卵地として機能を失い、湿地の陸地化が進むことなどの問題と共に、不安定な場所であることが懸念されている。前回、私たちが卵塊を確認したのが、2021年で今年も無事モリアオガエルの産卵が確認できたということは、産卵場所の環境が変わらず残されているということなので、うれしく思う。今後も志摩半島の産卵場所の一つとして産卵が継続できる場所として残されることを願いたい」と話す。

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