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志摩の伊勢神宮別宮・伊雑宮で御田植祭 4年ぶりの泥に笑顔

志摩の伊勢神宮別宮・伊雑宮で御田植祭 4年ぶりの泥に笑顔

志摩の伊勢神宮別宮・伊雑宮で御田植祭 4年ぶりの泥に笑顔

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 伊勢神宮内宮(ないくう)別宮「伊雑宮(いざわのみや)」(志摩市磯部町)で6月24日、コロナ前の御田植祭「伊雑宮御田植式」が4年ぶりに執り行われた。

【その他の画像】4年ぶりの「伊雑宮御田植式」、裸男たちは笑顔で参加

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 香取神宮(千葉県香取市)と住吉大社(大阪市住吉区)の御田植祭とともに日本三大御田植祭の一つされる同祭は、「磯部の御神田(おみた)」として国の重要無形民俗文化財の指定を受ける。第11代垂仁天皇の皇女・倭姫命(やまとひめのみこと)が伊勢神宮に納める神饌(しんせん)を探し求めて志摩を訪れた時、昼夜鳴く1羽の白真名鶴が稲穂をくわえていた「白真名鶴伝説」「鶴の穂落とし伝説」に由来するとされ、平安時代末期か鎌倉時代初期から続く。

 2020年は中止、2021年、2022年は一般人を入れず祭りを縮小し開催するなどコロナ禍で同祭の運営は左右された。「太一」と書かれた大きなうちわのついた忌竹(いみだけ)を裸男たちが泥だらけになりながら奪い合う「竹取神事」は今年4年ぶりに復活した。

 白い衣装に赤いたすきがけの早乙女(さおとめ)と田道人(たちど)が苗場を3周半回って苗を取る。続いて竹取神事が始まると裸男たちは竹取神事ができなかったストレスを発散するかのように、泥を投げ合ったり、相撲を取ったり、ダイブしたりしながら同祭の復活を喜び、泥だらけになりながら笑顔で忌竹を回した。続いて、赤い衣装を着た倭姫命(やまとひめのみこと)に扮(ふん)した太鼓打ちが田舟に乗り田楽を奏で、早乙女らが田植えを行った。

 同神社前の道路は、多くの出店が並び、子どもたちの声が4年ぶりに響き、賑わいを見せていた。

 県内外の祭りを500以上撮影する伊勢市出身の写真家・阪本博文さん「コロナで全国各地の祭りが中止や縮小を余儀なくされた。どの地域の祭りも自分の代で終わらせたくないという思いの中でギリギリのところで祭りを続けている。少子高齢化問題は祭りの存続問題にもなっている。この『おみた』について、その年の区長は苦渋の選択をしながら祭りを続ける方法を前向きに考えた。敬意を表したい」と話す。

 阪本さんは「祭りを継承するには地域に思いのある中心的な人がいること。人と人とのつながりができること、参加する人、見る人がともに楽しく元気になるのが祭りだと思う。人が生きていく上で、まちが成立していく上で、祭りは欠かせないもの。今回、祭りの練習や忌竹に絵を描く人を取材して、祭りができる喜び、やりたいという熱意をとても感じた。4年ぶりの竹取神事を見ていて裸男たちの笑顔がとても印象的だった」とも。

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