伊勢出身の写真家・阪本博文さんの写真展「海神響宴(かいじんきょうえん)~三重の祭りと二見の風習」が現在、国の重要文化財「賓日館(ひんじつかん)」(伊勢市二見町、TEL0596-43-2003)で開催されている。
同館は1887(明治20)年に建築され、皇族や各界要人に利用された宿泊施設を一般公開している。6月1日から、部屋全体に風が行き渡るように夏障子に替えたばかりで、今回はその部屋に阪本さんが撮影した県内の海に関する祭りの作品約70点を展示する。
「これまで220~230の海に関する三重の祭りを撮ってきた。山に関する祭りやそれ以外の小さな祭りも入れれば500余りになる。三重県以外も合わせれば600は下らないのでは」と阪本さん。「今回は賓日館のある二見町の祭りも多く展示した」と話す。
これまで撮影した祭りの中で衝撃を受けたものは志摩市大王町の「トトツリアイ」、熊野市の「二木島祭り」、二見町の「箕獅子(みじし)」という阪本さんだが、二木島祭りは現在祭りが休止されている。阪本さんは「祭りが地域のコミュニティーをしっかりとつくり、大地震など災害が起こったときでも助け合う力を養っている。しかし、少子化により子どもがいないために開催できない祭りがあることも大きな問題」と指摘。「そんな地域に根ざした祭りの一コマから何かを感じていただければ」とも。
開館時間は9時~17時。入館料は、大人=300円、小人(小・中・高)=150円。火曜休館。