二見興玉神社(伊勢市二見町)の海岸に浮かぶ「夫婦(めおと)岩」の大しめ縄が9月5日、新しく張り替えられた。
【その他の画像】二見興玉神社の夫婦岩のしめ縄、新しく張り替える作業風景
「大注連縄張(おおしめなわはり)神事」は、長さは約35メートル、太さ約10センチ、重さ約40キロの大しめ縄5本を夫婦岩の男岩(おいわ)と女岩(めいわ)に新しく張り替える祭典で、毎年5月5日と9月5日、12月の3回行われるが、先日の台風による強風で5本とも切れたため、1本だけ張り直した状態だった。
この日は満潮時刻と作業時間が重なったため、安全な作業を優先するため潮が引くのを待ち、通常より1時間30分作業を遅らせた。それでも氏子らは肩まで海水に漬かり、全身ぬれながら、しめ縄がぬれないように一本ずつ慎重に手渡しし男岩と女岩にかけた。
名古屋在住の女性は「参拝に来たら偶然しめ縄の張り替えをしていたのでとても幸運だと思った。何事もなく張り替え作業が終わりほっとした。新しいしめ縄をかけた夫婦岩は、とても美しいと感じた」と話す。
大しめ縄は、夫婦岩の沖合約700メートル先の海中に鎮座する猿田彦大神ゆかりの「興玉神石(おきたましんせき)」、夏至の日前後に夫婦岩の真ん中から現れる「朝日・太陽」、直線距離で約200キロ以上離れる「富士山」に対しての「鳥居」の役割を果たしているといわれている。