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伊勢・式年遷宮に向けて神領民ら決起会 「お木曳フェス」に33奉曳団

伊勢・式年遷宮に向けて神領民ら決起会 「お木曳フェス」に33奉曳団 神社港辰組奉曳団

伊勢・式年遷宮に向けて神領民ら決起会 「お木曳フェス」に33奉曳団 神社港辰組奉曳団

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 伊勢神宮の式年遷宮で使われるご用材を神領民と呼ぶ伊勢の市民らが運ぶ民俗行事「お木曳(きひき)」に向けての決起会として、多くの人にお木曳を知ってもらうことを目的に「令和のお木曳フェス 決起の会」が5月17日、伊勢神宮外宮(げくう)北御門広場で開かれた。

「お木曳フェス」の様子

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 伊勢神宮の社殿や装束・神宝などを20年に1度新しくし、ご神体を新宮(にいみや)に移す式年遷宮の最初の祭典「山口祭」が5月2日に執り行われ、いよいよ第63回の式年遷宮に向けての行事が本格的に動き出す。2033年までに約33の祭典・行事が続く。

 550年以上の伝統を継承するお木曳は、遷宮の7年前から2年かけて実施。伊勢市内の各地区で約70の奉曳団(ほうえいだん)が結成され、第1次お木曳行事が2026年5月上旬~8月上旬に、第2次が2027年の同時期に行われる。

 お木曳フェスは、伊勢神宮奉仕会青年部が奉曳文化の継承、本番を1年後に控えての機運醸成を目的に開催。会場には、子ども用のお木曳車や各奉曳団のそれぞれ違いのある「采(ざい)」や、前回の式年遷宮から撮影をする写真家の松原豊さんがこれまで撮影した奉曳団員の写真を展示。そのほか、ミニチュアの采を作るワークショップなどのコーナーを設けた。特設ステージでは、33の奉曳団が順番に独自の木やり唄を披露した。

 伊勢神宮奉仕会青年部の奥野勇樹部長は「こうした素晴らしい文化があることを知ってもらい、次世代へ継承していきたい。木遣り唄や法被などそれぞれの団の個性が出ていて面白い。20年前にお木曳に関わった時は26歳でまだ結婚もしていなかった。20年ごとに世代を超えて会話ができるのは伊勢ならでは。63回式年遷宮が終わったからといって終わりではない。どうやってつないでいくか、まずは来年以降のお木曳に向けて、志を一つにして取り組んでいきたい」と思いを込める。

 伊勢御遷宮委員会の会長の鈴木健一伊勢市長は「陸路ができる前の明治時代までは神領民が木を運ばなければ実際にお宮が建たなかった。伊勢の神宮のお宮が建つのはわれわれが運ばなければという強い意識があったからで、それが神領民の誇りにもなっているだと思う」と話す。

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