
伊勢神宮の「月次祭(つきなみさい)」に合わせ、日本に生まれて良かったと感じる研修「伊勢を楽しむ会」が6月16日~17日の1泊2日、公益財団法人「修養団(しゅうようだん)」の伊勢青少年研修センター(伊勢市宇治今在家町)で行われ、約50人が参加した。
1906(明治39)年、東京師範学校(現在の東京学芸大学)在学中の蓮沼門三(もんぞう)を中心とする学生らによって社会教育活動を実践するために創立された修養団は、渋沢栄一や松下幸之助らの支援を受けて今日まで続き、来年で120周年を迎える。
修養団では社会人研修や青少年キャンプ、3泊4日で行う「みがく講習会」などを行う一方、毎年、6月の月次祭に合わせて行う「伊勢の風を感じる会」、10月の神嘗祭(かんなめさい)に合わせて行う「神嘗祭特別講習会」、12月の月次祭に合わせて行う「神話を体感する会」を行ってきた。6月から、藤原真澄(ふじはらますみ)さんが企画・主催し、会の名前も「伊勢を楽しむ会」に変更した。
五穀豊穣(ほうじょう)、国家繁栄、国民の幸福、世界平和を祈る6月と12月の月次祭と神嘗祭は伊勢神宮の最も重要な祭典と位置付けられ「三節祭」と呼ばれている。同会は、月次祭の夜の祭典「由貴夕大御饌(ゆきのゆうべのおおみけ)」を拝観し、翌朝正装し伊勢神宮内宮(ないくう)を正式参拝(御垣内参拝)し、「心のふるさと」といわれる伊勢の地で日本の心、作法について改めて学ぶ。
参加者は、礼法・作法、反省行、正座行などを学び、講師の龍栞妃晄(このかひかり)さんによるクリスタルボウル瞑想セッションを受け、整体師の宇戸達徳さんによる身体の整え方など学んだ。修養団講師の山崎政弘さんは「形が心を正し、心が形を正す。心を取り出して磨くことはできないので、形・礼法を意識し形を整えることで自分を磨いていくことになるのでは」と投げかける。
藤原さんは「私は伊勢に来ると心地いい気持ちになるので何度も来たくなる。今回の会に参加することで参加者の皆さんがまた伊勢に帰ってきたいと思えるような会にしていきたい」と話す。